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朝散歩

裏山へ



イチョウはまだ青い

ここ数年、黄金色を纏うより先に木枯らしが吹き、ライム色の葉が道を飾るようになった。

半分緑で半分黄色。みたいな…


見上げた桜は空の青を透明に映してた。

少し体調が戻って来てこの日は、音を聴きたくて裏山へ行ったのだけどそこは無音でまさに、自らの声を聴けと言わんばかり


イヌタデ

イヌタデの花言葉は(役にたちたい)なのですって。


イヌタデの奥にノイバラが地を這うように伸びていて、春には一重の白花が咲き乱れる。

人の手の入らぬバラは、山が育てている。嵐が程よく枝を折り、桜や樫の落ち葉を微生物や虫たちがふくよかな大地に変えている。

バラの実は、野鳥が運ぶ。


桜の近くに立つと、葉から枝から土からの芳香で満たされ

まるで自分が樹木へ生まれ変わった様な… そんな朝だった

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