Foggyな朝は
目が覚めるとフランクフルトの街は霧に包まれていた。遠くが見渡せず、うっかりしていると巨人が出てきて街を闊歩するのではないかと思うほどにうす暗い朝であった。
フランクフルト近郊に源泉都市なるものがあるというので、行ってみることにした。電車で40分ほどでバート・フィルベルの街に到着した。
駅を降りてまず目に入ったのは、こちらの瓶のようなモニュメント。街を歩いているとところどろこで目にするのだが、恐らくは源泉都市としてアピールするためのモニュメントのように思う。
バート・フィルベルは街の至る所にアート作品が置かれていて面白かった。ほとんどは源泉都市に纏わるものだと思うのだが、人々の暮らしの中心に源泉、いわば温泉のようなものがあったことがうかがえる。
ただぼんやりと歩いているだけでも、飽きさせない工夫を随所に感じる。街はコンパクトに整えられ、建物の壁にはアートが描かれていたり、源泉が沸き上がっている場所にはモニュメントが置かれていた。
近くの公園にはフィルベル城があった。どうやらライブ会場になっているらしく中に入ることはできなかったので、周囲をぐるりと歩いてみた。一か所、壁が壊れたところがあって、そこは修復されずに崩れたまま残されていた。写真の通り天気は曇りだったので、晴れであればもっと綺麗だったのかなと思いつつ、美しい街並みをぼんやりとニッダ川沿いに歩いた。
図書館のすぐそばにある公園が静かで良く、のんびりと散歩をしていた。天気が優れないときは、ぼんやりと歩くに限る。
フランクフルター通りで記念祝典に出くわす
新しく舗装された道路を歩いていると、何やら人だかりができているのが見えた。しばらく待っていると、司会進行役の人が何やら話し始めたので、せっかくだからと思いGoogle翻訳を使って内容を確認してみた。以下はその内容を断片的に翻訳した記録である
どうやら2019年の工事着手から5年の時を経て、フランクフルター通りの道路整備が終わったらしかった。その計画に携わった人たちが思い出を語りながら、記念撮影をして住民たちで喜びを分かち合っていた。
偶然ながらも、そのような場面に出くわしたことは何か不思議な気持ちであった。私が施工管理をしていた頃は、長くても1年~2年くらいの計画で建物内の電気設備を施設する。電気分野は建物完成の終盤を担う要で、いわば人間で言えば心臓を動かす部分を担っている。ここが正常に動き出して、各々の神経が上手く動かなければ建物としてはダメなものになってしまうのだ。
建築・設備・電気。どれも欠けてはならない重要な要素である。
道路整備にはまた建物を建設する分野とは異なる苦労があったように思う。その苦労を乗り越えて住民と企業が相互に成果と喜びを分かち合う場に出会うことができ、全くの部外者だがフランクフルター通りに関して愛着が湧いた。
天気は相変わらず優れなかったので、そそくさと退散してホテルでのんびりと過ごした。