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ドイツ漫遊記15~ミュンヘンの駅前はミュンヘンではない説~


「もう、あれだな。どっからどこまでっちゅー話だな。分かるよな。俺の身体もよ、どっからどこまでが俺かという話だよ。な、分かるよな。そりゃな、俺もおかしいなと思っていた部分はあってな。ここは俺じゃないな、みたいな部分がよ。身体にはあるだろうよ。ほら、昔、母親に言われたりしなかったか?このお手てが悪いのか!って。そうなんだよ。部分で怒られるんだよな。俺の手が悪い、足が悪い、口が悪い、耳が悪い、ほんで髪の毛が悪いとか、な。そう考えるとよ、やっぱり定義しなきゃいけないよな。俺がどっからどこまでかっていうのをよ。あのね、俺はね、下半身に関しては」
 そこで、男の身体は真横に切られた。

峯岸達夫『ドイツ滞在記より、胴切りのランゲルハンス』

FlixBusで快適に

チューリッヒ午前9時30分発のバスに乗って、約5時間ほどバスに揺られてドイツの首都ミュンヘンまで向かった。途中、船に乗って湖を渡る場面があり、素敵な景色に目を奪われた。
 移動日ではあったが天気も良く、バスの中ではネットフリックスで映画をダウンロードして見ていた。プラットフォーム1と2を見ていた。何とも答えの見えない映画であったが、映画内の舞台が面白くあっという間に4時間が過ぎた。
 ドイツ国境に入る際には警備員から質問を受けた。何しに行くのか、どれくらい滞在するのか、という基本的なことに解答して難なく国境を越えた。

ミュンヘンで面食らう

 ミュンヘンのバス停に到着し、無事に荷物を受け取った。乗客の中には自分の荷物が無かったようで、途方に暮れている人もいた。そういえば、荷物を預ける時に「Direction?」と聞かれたことを思い出す。「Munich」と答えた私の荷物は無事にMunichで降ろされたが、果たして荷物を受け取れなかった乗客は何と答えたのだろうか。
 目的のホテルまで歩く道中は怖かった。まるきりスイスと雰囲気が違って、少しだけ冷たい空気が感じられるのである。怖いなと思いつつも駅前に行けば、さらに柄の悪そうな人たちがたむろっていて、怖さに拍車がかかった。
 ようやくホテルに着いてチェックインを済ませ、だいぶ時間が過ぎていたがミュンヘンを観光することにした。
 と言っても、正直駅前の様子を見る限りでは「ミュンヘンを選んだのは間違いだったか・・・」と後悔したほどである。酒に酔っているのか薬に酔っているのか、大声で叫ぶ人や血走った眼をした人を多く見かけた。また駅前はゴミも散乱していて、本当にここが花の都ミュンヘンかと思われたのである。
 さらには、義足の人が数人路上で物乞いをしていたり、ホームレスも結構いた。想像していた美しいミュンヘンはどこにあるのかと探していると、カールスプラッツの門を見つけた。
 くぐり抜けた後で分かったことだが、私は声を大にしてこう言いたい。

 カールスプラッツの門を抜けてからがミュンヘンだ!

 駅前ははっきり申し上げてミュンヘンではないと思う。華々しくもなければ治安の悪い雰囲気も漂っているので、あそこを起点にミュンヘンと考えてはいけないように思うのである。

 さて、言いたいことは以上である。
 ミュンヘンの町中を散策したのだが、それは今更私が声を大にして言うほどのことでもないだろうと思い、他のYoutuber等に任せておけばよいと思うのである。
 本音を言うと、天気もそんなに良くなく、駅前の治安の悪さに面食らっていたので、観光するというよりも下見程度の見物しかしなかった。より詳細なミュンヘン市街については、本記事では書くのをやめておく。

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