ドイツ漫遊記18~レーゲンスブルク、最古を巡る最高の旅~
レーゲンスブルクへ
ドイツに来てから、レーゲンスブルクに行きたいと思っていた。どうやらドイツ最古の帽子屋があるというのだ。調べてみると他にドイツ最古のカフェと、ドイツ最古の石橋と、ドイツ最古の大衆食堂ソーセージ屋があるという。
せっかくドイツに来たのだから、最古は抑えておかないとドイツに来たと言えないのではないかという妙な思いが湧き、いつかレーゲンスブルクに行かねばなるまいと思って、天気は曇り後雨予報であったが、レーゲンスブルクへと行くことにした。
最古巡り
ミュンヘンから電車で2時間ほどかかってレーゲンスブルクに到着した。あいにくの曇り空で、曇り空の時のドイツというのは妙に軍隊感を感じるので怖い。軍服を着た人々が列を成して歩いてくるかのような怖さがあるのだが、それがなぜなのかはよくわからない。
しばらく駅から歩いていくと、すぐに石畳の街になり見えてきたのはレーゲンスブルク大聖堂であった。
修繕中であったものの、見た目のインパクトは凄まじいものがあった。ヨーロッパの教会はどこも美しいのだが、ドイツで見た教会の中では今のところレーゲンスブルク大聖堂が一番大きかった。
帽子屋に行きたい気持ちがあり、そそくさと大聖堂を立ち去ってドイツ最古の帽子屋に向かった。
最古と聞くだけで気分は高鳴り、30分ほど滞在した。最後まで帽子か何かを買おうか悩んだのだが、結局はウインドウショッピングで終わった。
丸顔のため、なかなか帽子が似合わない質の人間である。特にキャップの帽子はダメで、何ともチグハグでダサい見た目になってしまうのでキャップ帽を買うことは避けている。つばの広い帽子が好みなのだが、どれも高額でなかなか手が出なかった。
店員さんはとても丁寧に接客をしてくれて、私の頭のサイズに関しても色々と教えてくれた。英語が通じたのでドイツ語で話す必要はなかった。私以外には老齢の夫婦が何組か店内に入ったが、誰もがウインドウショッピングで店を離れていった。このお店はチャーリーとチョコレート工場でジョニー・デップが被っていた帽子を作っていたとのこと。
最古の帽子屋を見終えた後は、さらさらっとドイツ最古を三軒見て回った。
ドイツ最古のカフェと石橋とソーセージ屋を見て回った。ソーセージ屋でホットドッグを買って石橋を眺めながら軽く食事を取った。
このソーセージ屋は、石橋の建設に従事していた作業員のために出来たのだという。石橋を一所懸命に建設する労働者を想像しながら、美味しいホットドックを頂いた。
ヴァルハラ神殿へ
たっぷり最古の場所を楽しんだ後は、天気が悪くなってきたのでどこか美術館的なところに行こうと考えた。ちょうど、ヴァルハラ神殿というのがバスで30~40分ほどのところにあったので、そこまで行くことにした。
ヴァルハラ神殿までの道のりは大変だった。特に神殿を登る階段の数、そして急な斜面である。それでもなんとか神殿までたどり着き4.5ユーロを払ってみたのだが、正直、そこまで苦労してみるほどのものでもないかなと思ったのである。
ヴァルハラ神殿、と名前は立派であるが北欧神話とは関係が無く、ドイツの偉人の彫刻を並べただけの神殿である。有名な作曲家や政治家の彫刻があり(ヒトラーの彫刻はもちろん無い)、それらを写真に収めた。よほどドイツに興味が無ければ、見てもそれほど感動と呼べるほどのものはない。
とはいえ、ヴァルハラ神殿の佇まいや、そこからの景色は美しかった。曇り空で雨も降っていたが、晴れたらもっと美しい景色が眺めたかと思うと、景観を楽しむ場所としては良いだろうと思った。
期待したほどの景色が見れたわけではなく、「なるほど、こういう人たちが偉人なのね」と確かめる程度の処理でヴァルハラ神殿を後にした。
大雨が降ってきたので、レーゲンスブルクからミュンヘンへ帰ろうと思ったのだが電車が1時間ほど遅れ、ミュンヘンに到着するまで3時間ほど電車の中にいた。
道中、何やら宗教家らしき人が車内で大声を出し始めたので、車内の人々が騒然としていた。何を言っているか分からないが、荒れている様子なので私はじっとしながら収まるのを待った。
駅に停車すると、どうやらその男は降りて行き車内にいた数名が警察に通報をしているようだった。何はともあれ、大事にならなくてよかったと思う。
このような事態に巻き込まれても、特に焦ることはない。死ぬときは死ぬときだと覚悟を決めている。だから落ち着いて旅ができる。
次は天気の良い日にレーゲンスブルクに訪れたい。やはり旅は良い天気に恵まれてこそである。
宿に戻ってからは大人しくシャワーを浴びて眠った。テーガンゼーの山登りで痛んでいた足はすっかり回復していた。マイコプラズマ的なものが流行っているそうなので気を付けたいと思う。
まったくのんびりしていなかったため、すっかり漫遊記も溜まってしまっていた。少しずつ時間を見つけて素早く記事が更新できるように努めたい。