良い企画・悪い企画の10要素

これはなにか？

事業企画を担当するチームのマネジメントを始めてから「企画」という仕事について考えるようになりました。
特に（僕自身もそうだったように）企画職未経験のメンバーが企画担当として独り立ちできるにはどうしたら良いのか。そのプロセスを少しでも残しておきたい。少しずつ言語化しておきたいと思いnoteを書いてみることにしました。

今回のテーマは「良い企画、悪い企画」
企画の仕事を考えるにあたってまず最初に浮かんだ問いが「良い企画とは何か？」でした。
実はこれ自体が結構曖昧で、人によって定義もバラバラなのではないかなと。

「良い企画とは〜〜である」と一言で言い切ることはなかなか難しい。
以前に読んだbaigeさんのこちらの記事のフォーマットがとてもわかり易かったので真似させていただき、良い企画/悪い企画の要素を書き出してみようと思います。そこから良い企画とは何であるのかヒントが見えてくれば幸いです。

良い企画、悪い企画

企画を考えるプロセスを課題解決（Asis Tobe）のフレームワークにも当てはめながら、10項目の要素に分けて整理してみようと思います。

良い企画、悪い企画

1. 良い企画には、明確な目的（理想）がある

・良い企画は、「なぜやるのか」から始まる。
　悪い企画は、「何をやるのか」から始まる。
・良い企画は、関係者が同じビジョンを見ている。
　悪い企画は、それぞれが別のビジョンを見ている。
・良い企画は、目的が絞り込まれシンプルである。
　悪い企画は、目的が詰め込まれて複雑である。
・良い企画は、目的に顧客が登場する。
　悪い企画は、目的に自社しか登場しない。

2.良い企画には、成功を定義する目標（ゴール）がある

・良い企画は、達成条件が定義されている。
　悪い企画は、成功が定義されておらず、失敗も曖昧にされる。
・良い企画は、定量的な数字目標と一部の定性的な状態目標が置かれている。
　悪い企画は、目標がない。または状態目標のみが置かれている。
・良い企画は、定性的な成果を可能な限り定量的な指標で計測しようとする。
　悪い企画は、定性的な成果を定性的なままに捉える。

3.良い企画は、現状を正しく捉えている。

・良い企画は、現状を正しく捉えている。
　悪い企画は、現状を都合よく捉えている。
・良い企画は、データと現場を行き来する。
　悪い企画は、デスクに座ってデータだけを眺めている。
・良い企画は、正確な情報を可能な限り集め、不確実な領域を明確にしようとする。
　悪い企画は、100％の事実を集めようとする。
・良い企画は、良い仮説を持つ。
　悪い企画は、集めた情報に意味を持たせない。

4.良い企画には、課題がある

・良い企画は、課題を解決する。
　悪い企画は、問題を解決する。
・良い企画は、課題をシンプルに表現できる。
　悪い企画は、課題が冗長で伝わらない。
・良い企画は、課題の構造が捉えられている。
　悪い企画は、課題が分解されておらず大きく捉えられている。
・良い企画は、重要な課題に取り組んでいる。
　悪い企画は、手を付けやすい課題に取り組んでいる。
・良い企画は、定数と変数を分けて考える。
　悪い企画は、動かせないもの（＝定数）に時間を使う。

5.良い企画は、数字で語れる。

・良い企画は、何の指標にヒットするかを説明できる。
　悪い企画は、指標が会話に出てこない。
・良い企画は、指標（KPI）の繋がりが示されている。
　悪い企画は、指標が全体と接続していない。
・良い企画は、課題の大きさが数字で示され、優先順位がつけられる。
　悪い企画は、課題の大きさが感情で示され、優先順位が人の主観に依存する。
・良い企画は、定性的な効果も定量化を試みる。
　悪い企画は、定性的な効果を定性的に評価することを認められている。

6.良い企画には、シャープな解決策がある

・良い企画の解決策は、論理から生まれる。
　悪い企画の解決策は、アイデアから生まれる。
・良い企画の解決策には、選択肢がある。
　悪い企画の解決策は、比較検討されていない。
・良い企画の解決策は、インパクト/実現可能性を重視する。
　悪い企画の解決策は、新しさ/面白さ/発想を重視する。

7.良い企画には、実行プランがある

・良い企画には、スケジュールがある。
　悪い企画の計画は、「なる早」で進める計画を立て、やる気に依存する。
・良い企画には、目の前で実行できる具体的なプランに落ちている。
　悪い企画は、抽象的な方向性に留まり、実行に至らない。
・良い企画は、小さく動き始め、検証に時間を使う。
　悪い企画は、大きく動き始めるための準備に時間をかける。
・良い企画は、必要な人が前向きに巻き込まれている。
　悪い企画は、巻き込まれたと感じる後ろ向きな人を生む。
・良い企画では、計画は状況に応じて変更される。
　悪い企画は、計画は完成されており、途中で変更されない。

8.良い企画は、リスクに目を向ける

・良い企画は、リスクに目を向け、対策を考える。
　悪い企画は、リスクから目をそらす。
・良い企画は、撤退条件が決められている。
　悪い企画は、状況が悪化してから対応を考え始める。
・良い企画は、状況に応じて撤退が行われる。
　悪い企画は、撤退条件が名ばかりで、惰性で継続されていく。

9.良い企画は、全体最適を作る

・良い企画は、全体最適である。
　悪い企画は、部分最適である。
・良い企画は、事業全体にとってプラスになる。
　悪い企画は、個人（≠事業）にとってプラスになる。
・良い企画は、中長期で価値を生む。
　悪い企画は、短期では価値を生むが、中長期のマイナスを生む。

10.良い企画は、オーナーの意志がある

・良い企画には、オーナーの意志がある。
　悪い企画には、意志ある人が不在である。
・良い企画では、最後はオーナーが意志をもって決断する。
　悪い企画では、オーナーの意志がなく、企画が周囲の意見に流されていく。
・良い企画では、オーナーの解像度が一番高い/高くあろうと行動する。
　悪い企画では、オーナーが人任せで、状況理解が薄い。

最後に

大きく10個のテーマに分けて、「良い企画」について考えてみました。少しでも皆さんの企画のヒントになれば。

一方でこれが"正解"という訳ではないとも思っています。
向き合う領域や課題によっても状況が変わる部分もあるのかもしれません。

僕自身ももっと精進しなければ。
この記事を読んでもっとこんな観点もあるぞなど、お気づきの方はコメント等いただければとっても嬉しいなという気持ちです。

最後まで読んでもらった皆様「スキ」押してもらえたら嬉しいです。

Twitterでも情報発信しています🐦