【詩】星屑とドライバー
ホームセンターで練炭買おう
いや 苦しいからやめよう
ドラッグストアで薬山ほど買おう
いや 苦しいからやめよう
近場に人目に付かない高台があるんだ
いや 苦しいからやめよう
ドライブ行こう 風を突っ切って 存在が掻き消える
感覚 瞬間 爆音で脳をぶち壊して 星を見に行こう
届かない あの一等星を 眺めてるだけでいいの
そうして けらけら笑って 海岸で砂にまみれながら
どの星が一番澄んでいるか 傷痕に似てるねとか
しょうもなく しんと空気を吸い込んで 二人で笑った
あなたの声が好き
いつでも
車の中でのあなたの鼻唄が
ゲームやりながら心底笑ってるあなたが
幸せを 幸せとして 生きてくれているあなたが
好き
私達は屑
夜空を突っ切って 朝には眠る コンビニ飯散らかしながら 痛みの数を数えて 星の夢を見て眠る
あなたは星屑
星になれない なりたくない
そんなあなたが 好き
星になれない 車窓から薄ぼやけの星を眺めてる
あなたが好き
逃げよう 逃げられない にげよう
ここにいよう ほんの少しでも かたちを保てる場所に
星の数ほど馬鹿やっても あの時の 星空を透かして
笑うあなたの笑み 瞳は やさしいから
わたしの星 わたしの愛する 星の色
いつかさ あなたの骨 撒かれて星になったらさ
名前 付けてあげるよ 学者じゃないけど
あなたの車から 冷たい空気を吸い込んで
やさしい あなた色の星を見たい
いつか
ね
いつか