にじいろ階段プロジェクト|味真野小
2021年12月。福井県越前市。
LGBTQのシンボル「にじいろ」に彩られた市役所の階段をSNSで知る。
「へ〜、役所もいろんなことやってるんだな」
普段なら、ただ読み飛ばしそうな多くの中のひとつのニュース。
しかし、何故か分からないが、とても印象に残った。
気づいた時には先生にLINE
2021年。PCN武生としてプログラミング講座や動画の制作講座等、越前市の7つの公民館と3つの小学校とのご縁をいただいた年。12月には新たに味真野小学校の科学クラブで2回講座が予定されていた。この2回の講座で、どんなことをこどもたちに届けようか。そんなことを考えていた時に目にした、越前市役所のにじいろ階段のニュース。同じ越前市で行われている取り組み。せっかくなので、勝手にコラボできないか。そういえば、小学校にも階段はある。そんなことを考え始めたときには、気づけばご縁のあった学校の先生にLINEをしていた。
科学クラブでプログラミング講座
急な思いつき、且つタイトな日程にも関わらず、良い返事をくれた味真野小学校。科学クラブの初回講座の後、早速校長先生とクラブの担当の先生に企画の詳細を相談。手を挙げてくれるこどもたちと一緒に、フルカラーLEDのテープを使い、学校の階段をにじいろに飾ってみたい。こどもたちが自分が通う小学校を、自分たちの手でより楽しくする体験のひとつにしてほしい。
科学クラブ2回目の講座は、フルカラーLEDを用いたプログラミングにした。テーマは「光の三原色」。前半は光らせ方や点灯する色の変え方をレクチャー。クリスマスの時期ということもあり、こどもたちも光物にテンションは高め。後半、越前市役所のにじいろ階段の写真を見せて各色のRGBコードをプログラミングしてもらいながら調査。色ごとにチーム分けし、担当の色をチーム内で決めていく。このアイデア、実はお隣鯖江市でSDGsの円環の色をプログラミングするイベントをインスパイヤーしたもの。こういう携わり方なら、プログラミングをはじめて間もないこどもたちにも関わってもらえる。すぐに色が決まるチーム、最後まで細かい調整をするチーム、そして出揃った6色。ただ、もう予定している講座はない。さぁ、続きはどうしようか。
昼休みの秘密会議
前回のクラブで、「味真野小 にじいろ階段プロジェクト」に手を挙げてくれた7名の6年生。翌日の昼休み。理科室で秘密会議。7人で決めてくれた実行委員長とメンバーたちで、光らせ方についてブレスト。チカチカ、ラッキー、ダラダラ、ランダム、ぶつかってキラキラ、人がきたら明るく、たま〜〜にレアな色… 様々な意見があがりました。イメージを表す言葉が溢れ、こちらも必死に具体的にキャッチアップ。時には、全身で説明してくれる様子がとても小学生らしくホッコリしたのを覚えている。
スケジュール的に、こどもたちにコーディングしてもらう期間はとれそうにない。そのため、コーディングはCode for FUKUI/PCN武生として私の方で担当。翌日さらにこどもたちのイメージを深められるよう、挙がったアイデアに加えて、いくつか面白そうな動きを持ち帰り実装。そして、翌日の昼休みに2回目の秘密会議。
最終的に、2箇所の階段を飾りつけることに決定。
ひとつは「にじいろ階段」。そしてもう一つは、遊び心を加えたもの。
にじいろ階段は、IchigoJam × 人感センサー × LEDテープ で、人が通ったら光る仕様とした。そして、たまにレアな光り方をするお楽しみつき。
そして、もう一つは、IchigoJam × バーコードリーダー × 自作足踏みスイッチ で、5パターンの動作を切り替えられるものに。クリスマスの音楽とともに赤、緑、黄色が点滅するパターンや、動く光を特定の範囲で止めるゲームも用意。
階段設置は保護者会の午後
設置当日。午後は保護者会のため、他のこどもたちはお昼過ぎで下校。
その間に、プロジェクトメンバーで階段に設置。設置に関しては、ほとんどをこどもたちに一任。テーブでの止め方を考えるメンバー、コンピュータは触らないように説明の張り紙を作るメンバー、人感センサーの動作確認するメンバー、気づけばいろいろと分担して作業をしていた。6年生ともなると、しっかりしているんだな。我が子が6年生になったらこれくらいできるのだろうか…なんて余計なことも考えながら、気づけばいい時間に。
近くを通った保護者の方たちは、「何してるんだろう?」という感じだったと思う。それでも、こどもたちが何やら楽しそうに作業している姿をみてもらえたのは良かったと思う。そして、予定時間を大幅にオーバーして設置完了。(時間押しすぎてスミマセンでした…)
さて、翌日登校してきたこどもたちの反応が楽しみ。
そして、こどもたちの反応は
翌日。担任の先生からLINE。送られてきた写真や動画。
こどもたち、めっちゃ楽しんでくれている!!一番人気は、やはり足踏みスイッチで光を止めるゲーム。クリアしたら、体操服カラーの赤白青でキラキラ光る。こんなことができるんだ、そんなふうに思ってくれる子がひとりでも多くいたら、今回のプロジェクトは大成功といえるのではないかと思う。
Code for FUKUI が理念に掲げるCivicTech。市民(Civic)の手でテクノロジー(Tech)を使って課題を解決し、暮らしをより良くしていく。PCN武生の今年のテーマの一つStudentTech。生徒(Student)たちの手でテクノロジー(Tech)を使い、学校をはじめとした自分たちの環境をより良いものにしていく。
本当に小さなことでいい。自分たちでもできるんだということを知り、実際に形にする過程を体験する。そして、そこから、ひとつづつ他人事を自分事に変換していく。どんなことでも自分事で捉えて動くことが、自分の思い描く未来を切り開いていく。そんなことに、いつか気づき、また次の種を蒔いてくれることを願い。この先も、布石をひとつずつ打っていく。
もちろん、人生を楽しんでいる姿をみせながら。
この中から、想いを同じくする仲間が生まれてきたら最高。
参考
味真野小 科学クラブ プログラミング講座 Webプリント
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