テラミライプロジェクト-コア・バリュー-
前回はテラミライプロジェクトをはじめたきっかけについて書きました。
(バックナンバー:テラミライプロジェクト -はじまり-)
今回はテラミライプロジェクトの現在のコア・バリューについて書いていきたいと思います。これまでの経験により成り立つ世界観、そして、これからを築いていくための価値観。これら両方を、今後さまざまな体験を通して生で感じた感覚を元にアップデートしていく必要があると考えています。
自分の中だけのアップデートは、想いに賛同し、共に活動を進めてくれる仲間たちには伝わりません。四六時中一緒にいて、話ができるような環境であれば別ですが、実際はなかなかそうはいかないものです。そうなると、やはり定期的に言語化していく必要があります。
テラミライプロジェクト コア・バリュー
Vision:"お寺"の良さが生活に活きる社会をめざす
Mission:これから先の"お寺"の存在意義を再定義する
Value:"人生に余白と体験を"
"未来を自ら決定し切り開く資材を"
価値観や企業でいうところの企業理念に近いものですが、テラミライプロジェクトでは現時点で上記のように、Vision、Mission、Valueとして言語化しています。大切にしたいのは、今、そしてこれからを生きる人たちが、自らの人生を切り開いていくための一助になること。もう少し噛み砕くと、言われたからやっているという、やらされている感を当たり前にせずに、主体性をもって行動する領域を少しずつ広げていくこと。
以降では、Vision、Mission、Value それぞれについてもう少し掘り下げていきたいと思います。
Vision:"お寺"の良さが生活に活きる社会をめざす
まずはじめに、そもそもなぜ"お寺"なのか?というところから書いていきたいと思います。
どの地域にも存在しており、昔は集会所や寺子屋として学びの場として身近な場所であった”お寺”。時代の流れもあり、現代では普段の生活から少し離れた場所になってしまった。"知らない"が"分からない"になり、"分からない"から"必要ない"になろうとしている。しかし本当は"分からない"ままにせず、"知って"活用すべきことが多い。
はじまりの回でも書きましたが、わたしも"知らない"から入り、知って良さを感じるようになった人間のひとりです。知ったのは宗教的な良さではなく、そこに人が集まり何かが行われたときに生まれる、言葉にするのは難しいのですが確かに感じる "あっ、なんかこれいい" という感覚。
あえて言葉にするとしたら、"非日常感"によりプラスされる集中力が、そこで得られるものの純度を高めるようなイメージ。
こうした場が生み出す力に惹かれて、"お寺"に注目するようになりました。
活かすべきは、"非日常感"、"広い敷地"、"地域に根ざした立地" の三つ。
Mission:これから先の"お寺"の存在意義を再定義する
"存在意義を再定義する"という言葉は、"昔からの価値に現代の価値を+αする" という言葉で置き換えた方がわかりやすいかもしれません。ただ、本当にそれだけで描いたVisionに近づけるのかというと、価値を付加するだけでは足りずに、実は書き換えないといけないところもでてくるかもしれません。これまでの慣習に縛られすぎず、前提を変えていく勇気と発想を持つという意味も込めて、あえて"再定義" という言葉をつかっています。
故人を偲ぶ大切な習慣の源泉、目には見えないが人の心のよりどころとしての存在。これらが"昔からの価値"だとすると、そこに今を生きる人たちが納得して、価値だと感じられる"現代の価値"を模索しプラスする。たとえば、"非日常感"、"広い敷地"、"地域に根ざした立地"といった、"場"としてのお寺の良さに気づき、より身近に感じられるような機会の提供
Value:"人生に余白と体験を"、"未来を自ら決定し切り開く資材を"
私のこれまでの経験の中で、相反するものでどちらも必要だと感じているものがあります。それは、"自分を追い込むこと"と"自分に余裕をもつこと"。
社会人になると、当然ですが学生の頃と比べて、はるかに速いスピードで成長が求められます。しかしながら、多くの人はスピードをあげて成長しなければならないと意識せずとも、与えられる仕事をとにかくこなしていくことで、求められているスピードに近い速さで成長しています。
ただ、ある程度の時期にくると受動的にこなしているだけでは、必要な成長スピードに結びつかなくなるタイミングが訪れます。その辺りから、同期の間でも差が目立つようになってきます。
私自身もある時期、とにかく仕事を詰め込んで、これでもかというくらい自分を追い込んでいたことがありました。それまでは、厳しい状況に自分の身を置き、その中でもなんとかクリアしていくことこそ、次のステージに進んでいくような成長に繋がる唯一の方法だと考えていました。そして、その時も同じようにとらえていました。
元々仕事の意味を考えながら仕事をするタイプだったのですが、その時はもう常に追われている感覚で、意味を考えることもできず、その日暮らしのような仕事になっていました。自分を追い込んでいるのではなく、単に追い込まれていて、まったく余裕がない状態。能動的に自分を追い込んでいるのとは、一見同じように見えますが全く異なるものでした。
当然仕事も納得がいくクオリティまでもっていけず、自身の成長もあまり感じられず、このとき、自分が向き合うものについて考えるための余裕は、意識して持たないといけないと身を持って感じました。
余裕、ある程度の余白を持つのは必要ですが、ひとつだけ注意が必要だと考えています。それは、主体的に考えるための材料(体験)が無い状態での余白は、単なる暇でしかないということです。
学生時代、時間はあったはずなのに、とりわけなにをしたわけでもなく、もったいなかったと感じている社会人も多いのではないでしょうか。
現代のこどもたちを見ていると、私たちの時代とは違い、塾にいくのが当たり前だったり、多くの習い事をやっていたり、本当に忙しそうだなと思います。能動的に自分で自分を追い込んでいくような選択は、こどもたちにはまだできません。そうなると、必然的に親のコントロールが重要になってきます。
しかし、親の価値観だけのコントロールにまかせてしまうと、本当は体験しておくべきことが見逃されてしまうこともでてくるでしょう。
こどもたちをいろいろな大人の目で見てサポートし、目の前の勉強のために詰め込まれがちなこどもたちに、もう少し先の"生きていく"ということを、楽しんで考えられる余白の時間と体験をValueとして届けていけるとよいと考えています。
◯とどけるべきヒト
無意識の先入観がない、これからの未来を担うこどもたちへ。"遊び"も"学び"も詰め込まれている感覚が強い今の時代。自ら選択するための必要な余白と、自ら楽しみを生み出していける体験を。
◯とどけるべきコト
”将来自分のこどもたちに話したくなるような記憶に残る体験”
"選んだ未来、選ばなかった未来のきっかけになるような体験"
"さまざまなものを再定義していく体験"
"他人事を自分事にしていく体験"
◯生み出されるモノ
今を支えてくれている檀家や地域の人々だけではなく、共にコミュニティを創り上げていくファンや未来のクリエイター
次回に続く
次回は具体的にやっていけるとよいなと思っていることについて書こうかと思います。ひとつでもふたつでも、想いに共感してくれる様々な人たちと共に、いろいろな活動をしていければ幸いです。
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