『幻のレコード 検閲と発禁の「昭和」』補遺②
書籍からこぼれ落ちた情報のつづきです。
まあ索引が付けられないのは脱稿時のボリュームからうっすら予感していましたが、まさか枚数超過で参考文献まであぶれるとは正直思っていませんでした。この種の書籍に参考文献は不可欠!を信条としているからです。
ですから参考文献の削除には大いなる勇気が必要でしたが、本文中に主要な出典は記載されているということで妥協しました。
なぜそこまで参考文献にこだわるかというと、本文に反映しないまでも文字通り参考書として目を通す文献は多々あるからです。本文中に示した典拠は、執筆のために目を通した文献のごくごく一部に過ぎません。たとえ原稿に明記しなかったとしても、目を通して得るものがあったりなかったりする限りは、やはり参考文献として提示すべきではないかと考えています。
※書籍用に縦組み・漢数字で作成したものを横組み・洋数字に変換してあります。使用した雑誌新聞記事は原則として本文中に示し、参考文献リストには入れていません。
また書籍で削除した箇所に関する参考文献・取材協力もありますがそのままにしてあります (たとえばラジオ放送の検閲に絡んで台湾民謡の放送に関する音源について小針侑起氏より資料を頂きましたが、ラジオ検閲の章ごと削除せざるを得ませんでした)。
主要参考文献
『レコード音楽』(レコード音楽社 1936〜1941)
落合四一『発禁レコード受難史』「話 九月号」(文芸春秋社 1936)
山口亀之助『レコード文化発達史』(録音文献協会 1936)
『ビクター 第二巻第一号』(日本ビクター蓄音器株式会社 1941)
『日蓄(コロムビア)五十年史』(株式会社日本蓄音器商会 1940)
小川近五郎『流行歌と世相』(日本警察新聞社 1941)
新体制実践研究会編『公定価格年鑑 昭和十六年版』(銀座書院 1941)
『レコード文化』(レコード文化社 1941〜43)
『音楽文化』(日本音楽雑誌株式会社 1943〜45)
権田保之助『娯楽教育の研究』(小学館 1943)
『ポケット官界名鑑』(日本官界情報社 1943)
正岡容『雲右衛門以後』(文林堂双魚房 1944)
毎日新聞社編『毎日年鑑 昭和二十年』(毎日新聞社 1944)
丘十四夫『歌暦五十年』(全音楽譜出版社 1954)
西條八十『唄の自叙傳』(小山書店 1956)
高橋掬太郎『流行歌三代物語』(学風書院 1956)
古川緑波『喜劇三十年 あちゃらか人生』(アソカ書房 1956)
旗一兵『喜劇人回り舞台』(株式会社 学風書院 1958)
『松竹七十年史』(松竹 1964)
上山敬三『日本の流行歌 歌でつづる大正・昭和』(早川書房 1965)
堀内敬三『音楽明治百年史』(音楽之友社 1968)
榛名静男『暗い谷間のエノケンとジャズ』(ジャズ批評・9月号 1970)
『明治大正昭和 日本流行歌の歩み - 別冊解説書』(日本コロムビア株式会社 1970)
伊藤正徳『レコードと共に四十年ー私のアルバム』(日本クラウン株式会社 1971)
隔月刊『SPレコード』(アナログ・ルネッサンス・クラブ 1972〜2011)
瀬川昌久・早津敏彦ほか『心暖まる調べ 日本の失われた軽音楽のページ(解説書)』(ビクター音楽産業株式会社 1975)
森本敏克『音盤歌謡史』(白川書院 1975)
『合唱運動に生きた人 秋山日出夫』「ハーモニー 夏号」(全日本合唱連盟 1976)
長田曉二『昭和はやり唄秘話』(ドレミ楽譜出版 1976)
『音楽之友社二十五年の歩み』(音楽之友社 1978)
島田磬也『裏町人生』(創林社 1978)
長田暁二『わたしのレコード100年史 わが音楽半世紀の足跡』(英知出版 1978)
倉田喜弘『日本レコード文化史』(東京書籍 1979)
解説書『オリジナル盤による秘蔵盤・昭和(SP時代)の流行歌』(日本コロムビア株式会社 1980)
森本敏克『レコードの一世紀・年表』(沖積舎 1980)
国立国会図書館編『国立国会図書館三十年史 資料編』(国立国会図書館 1980)
服部良一『ぼくの音楽人生』(中央文芸社 1982)
毎日新聞学芸部『歌をたずねてー愛唱歌のふるさと』(音楽之友社 1983)
雑喉潤『いつも歌謡曲があった』(新潮社 1983)
ディック・ミネ『八方破れ言いたい放題』(政界往来社 1985)
牧野守『映画検閲時報 第十三巻』(不二出版 1985)
池田憲一『昭和流行歌の軌跡』(白馬出版 1985)
毎日新聞学芸部『歌謡・いま・むかし』(音楽之友社 1985)
『レコードと共に五十年』(テイチク株式会社 1986)
週刊朝日編『値段の明治大正昭和風俗史・下』(朝日文庫 1987)
由井正臣・北河賢三・赤澤史朗・豊沢肇『出版警察関係資料 解説・総目次』(不二出版 1983)
中薗英助『何日君再来物語』(河出書房新社 1988)
川崎清『レコード盤と共に』(文秀社 1991)
『キングレコードの六十年』(キングレコード 1991)
津金澤總廣『初期普及段階における放送統制とラジオ論』(関西学院大学社会学部紀要 63 / 1991年3月)
『月刊78 SEVENEIGHT』(鎌倉書林 1975〜78)
『季刊78 SEVENEIGHT』(鎌倉書林 1978〜94)
『社団法人日本レコード協会五〇年史 ある文化産業の歩いた道』(社団法人日本レコード協会 1993)
福田俊二・加藤正義『昭和流行歌総覧 (戦前・戦中編』(柘植書房 1944)
古茂田信男・島田芳文・矢沢寛『新版 日本流行歌史』(社会思想社 1995)
国立劇場近代歌舞伎年表編纂室『近代歌舞伎年表・京都篇 第十巻』(八木書店 1995)
毎日新聞社会部編『あのうたが聴こえますかー戦後50年歌物語』(音楽之友社 1995)
岡田則夫『続・蒐集奇談 第68回』「レコード・コレクターズ 7月号」(株式会社ミュージック・マガジン 1996)
岡田則夫『続・蒐集奇談 第69回』「レコード・コレクターズ 8月号」(株式会社ミュージック・マガジン 1996)
佐野博美『佐野鋤・音楽とその生涯』(三一書房 1997)
森本敏克『SPレコードのアーティスト』(六甲出版 1997)
国立国会図書館五十年史編纂委員会『国立国会図書館五十年史 本編』(国立国会図書館 1999)
クリストファ・N・野澤『幻の名盤伝説 第三十二回 実力で聴衆を増やしたフォイアマン』「ストリング」 1月号(レッスンの友社 2000)
山田孝雄『American Popular Music on Japanese 78 rpm Record 1927 to 1958』(Takao Yamada 2002)
中田整一『モンテンルパの夜はふけて 気骨の女・渡辺はま子の生涯』(NHK出版 2004)
瀬川昌久「曲目解説」CD『日本のジャズ・ソング〜戦前篇・スウィングす
る二世歌手と戦中かくれジャズの軽音楽』(ブリッジ 2006)
クリストファ・N・野澤「曲目解説」CD『伝説の名演奏家たち 日本人アーティスト編』(コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社 2009)
佐藤俊一『日本に於ける内務官僚達の戦前と戦後‐鈴木俊一氏を中心に‐ (上)』(自治総研通巻376号 2010年2月号)
久保健助『出版法昭和9年改正に関する覚書‐第65回帝国議会における議論を中心に‐』(ブック日女紀要 四二号 2011)
小林昌樹『雑誌新聞発行部数事典‐昭和戦前期 附発禁本部数総覧』(金沢文圃閣 2011)
細川周平『戦前のレコード検閲 『出版警察報』から探る』Sakae Murakami-Giroux, Christiane Séguy et Sandra Schaal (eds.), Censure, Autocensure et Tabous: Actes du quatrième colloque d’études japonaises de l’Université de Strasbourg, Eds. Philippe Piquier (2011)
安智史『流行歌と世相』解題 「コレクション・モダン都市文化 第75巻」(ゆまに書房 2011)
Hiromu Nagahara , "The censor as critic : Ogawa Chikagoro and popular music censorship in imperial Japan, Edited by Rachael Hutchinson, "Negotiating Censorship in Modern Japan" (Routledge Contemporary Japan Series 2013)
後藤智生『熱帯林の恵み、ラックとは?‐その生産から利用まで‐』(熱帯農業研究 第6巻 第2号 2013)
辻田真佐憲『日本の軍歌 国民的音楽の歴史』(幻冬舎新書 2014)
金子龍司『「民意」による検閲』日本歴史学会編集「日本歴史」第七九四号 (日本歴史学会 2014年7月)
大久保いづみ『第二次世界大戦以前の日本レコード産業と外資提携 −−6社体制の成立−−』(経営史学 第49巻第4号 2015年3月)
毛里裕一『検閲と享楽 1930年代のラジオ「娯楽」番組の事例検討を中心に』(日本マス・コミュニケーション学会2016年度春季研究発表会・研究発表論文 2016)
小針侑起『あゝ浅草オペラ 写真でたどる魅惑の「インチキ」歌劇』(えにし書房 2016)
小山英恵『戦後音楽科教育の発展史』鳴戸教育大学研究紀要・第31巻 (鳴戸教育大学 2016)
『「内務省委託本」調査レポート 第16号』(千代田区立千代田図書館 2017年3月)
浅岡邦雄『出版検閲における便宜的法外処分』中央大学図書館学紀要 三十八巻(中央大学図書館 2018年3月)
竹内勉『日本民謡事典Ⅲ 関西・中国・四国・九州』(朝倉書店 2018)
田中健次『図解日本音楽史』(東京堂出版 2018)
朴燦鎬『韓国歌謡史 1』(邑楽舎 2018)
木村源知『戦時期における代用材料としてのレコード盤ー画鋲の実物資料を用いた実証的研究ー』「道具学論集 第24号」(道具学会 2019年3月31日)
生明俊雄『日本の流行歌 栄枯盛衰の100年、そしてこれから』(ミネルヴァ書房 2020)
細川周平『近代日本の音楽百年・第4巻 ジャズの時代』(岩波書店 2020)
大西秀紀『砂川捨丸のレコードー府立上方演芸資料館所蔵盤について』大阪府立上方演芸資料館・令和2年度年報 (大阪府立上方演芸資料館 2021)
田中健次『図解近現代日本音楽史 唱歌、校歌、応援歌から歌謡曲まで』(東京堂出版 2022)
『官報』昭和八年七月二十四日 第千九百六十八号(国立国会図書館デジタルコレクション ) 2021年2月2日最終閲覧
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2958440/7
『官報』昭和九年五月二日 第二千百九十七号(国立国会図書館デジタルコレクション) 2021年2月2日最終閲覧
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2958672
『官報』昭和十二年八月十二日 第三千百八十三号(国立国会図書館デジタルコレクション)2021年2月2日最終閲覧
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2959669
『官報』昭和十三年三月三十一日 第三千三百七十号(国立国会図書館デジタルコレクション)2021年2月2日最終閲覧
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『官報』昭和十五年三月二十九日 第三千九百六十七号(国立国会図書館デジタルコレクション)2021年2月2日最終閲覧
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2960464/50
『官報』昭和十六年十一月二十二日 第四千四百六十三号(国立国会図書館デジタルコレクション)2021年2月2日最終閲覧
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2960963
『官報』昭和十八年二月二十八日 物価号外(国立国会図書館デジタルコレクション)2021年2月2日最終閲覧
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2961341
『官報』昭和十九年二月十五日 物価号外(国立国会図書館デジタルコレクション)2021年2月2日最終閲覧
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『官報』昭和二十四年六月二十一日 第6729号(国立国会図書館デジタルコレクション)2021年6月9日最終閲覧
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ほか官報。
『職員録』昭和四年〜昭和十八年(国立公文書館デジタルアーカイブ)
WEB上の情報
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「音楽ソフト 種類別生産数量推移」一般社団法人 日本レコード協会 2021年3月7日最終閲覧
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大久保いずみ「第二次世界大戦以前の日本レコード産業と外資提携—6社体制の成立—」 2021年1月15日最終閲覧
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近藤博之「中野忠晴の功績とその評価——主に戦前期からーー」(名古屋大学文学部日本史学研究室 二〇〇四年度卒業論文)2015年9月2日最終閲覧
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鯨井正子「童謡レコードの教育的意義」(国立音楽大学 博士論文 二〇一六年)2021年4月5日最終閲覧
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毎日新聞 2015年12月25日17時55分(同日19時20分最終更新分を閲覧)
有害図書、出版業界で線引きを 菅官房長官
http://mainichi.jp/articles/20151226/k00/00m/010/014000c
「昭和14年の李香蘭⑨ 5月2日訪日宣誓記念日と陽春小唄」『李香蘭と支那の夜〜名曲蘇州夜曲の謎を解く』http://blog.livedoor.jp/yanagi470/archives/5167354.html
@niftyニュース 2018年7月10日16時29分配信
出版業界が軽減税率の適用目指して「有害図書排除」へ 「何を以て『有害』指定するのか。何がエロになるのか不明。と懸念する声も
https://news.nifty.com/article/economy/cc/12117-8935/
公共料金の推移(ホームページ『コインの散歩道』内)2020年11月5日最終閲覧
http://sirakawa.b.la9.jp/Coin/J068.htm
内務省警保局「警保局長決裁書類 大正十四年下・投書に関する件(大阪)」一九二五年八月二十日(アジア歴史資料センター)2020年8月9日最終閲覧
https://www.digital.archives.go.jp/img.pdf/1024597
内務省警保局「蓄音機レコードに関する件通牒(警保局長決裁書類)」一九三四年三月十四日(アジア歴史資料センター)2020年8月9日最終閲覧
https://www.digital.archives.go.jp/img/1009263
内務大臣決済書類・昭和十二年・下「興行取締の件(各庁府県)」 一九三七年十一月十三日(アジア歴史資料センター)2021年4月14日最終閲覧
https://www.digital.archives.go.jp/img.pdf/1020714
外務省情報部「事変前に於ける抗日資料の解説」一九三九年 2020年8月9日最終閲覧
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1879032
創立80周年事業 JASRAC音楽文化賞記念講演会「社会に翻弄された音楽を辿って」〜明治から戦中、そして現代〜 二〇一九年十月十五日 2020年6月1日最終閲覧
https://www.jasrac.or.jp/news/pdf/kouenkai_houkokusyo.pdf
松本有啓「音楽著作物の類似性の範囲について —記念樹事件—」知的財産法政策学研究NO.2 二〇〇四年 / 2020年1月18日最終閲覧
https://lex.juris.hokudai.ac.jp/coe/pressinfo/journal/vol_2/2_7.pdf
その他の資料
各レコード会社の新譜月報・総目録・広告
歴史ウォッチング『ツルレコード秘話〜名古屋に文化ありき〜』名古屋テレビ制作 1989年(録画VHS)
取材協力者 (敬称略)
大西秀紀、亀ヶ谷行雄、胡弓かなた、小針侑起、斉藤徹(日本コロムビア株式会社)、佐川修、鈴木三智子、故瀬川昌久、専修大学大学史資料室、細川周平、保利透、森村商事株式会社・社長室、柳知明