料理学校に行く前に読んでほしい
はじめに
私は普段、料理科学の森という料理のホームページを運営している。
ホームページの内容は、料理のレシピではなく食品学や調理学などの内容が広く書かれている。
全て無料なので暇だったら見て損はない。
今回、料理学校について書いてみようと思うのだが、まずは自己紹介を・・
始めに言っておくと、私自身は現在、料理の仕事はしていない。
料理学校(辻調理師専門学校)を卒業し、調理師として仕事はしていたが色々あって退職、辞めた後はマーケティング調査会社(食品部門)、福祉の仕事と全然違う職についている。
さて・・・
それだけだったら料理学校を卒業して、違う職に就いた人ということだが
なぜか、食の仕事を辞めてから料理の勉強にハマった
案外、仕事より趣味の方が気楽に勉強できるからだと思う
料理の勉強と表現したが、勉強とはレシピを暗記することではない。
では、何を勉強するかと言えば、料理の原理についての勉強である。
あえて言えば、食品学や調理学というカテゴリーに分類される。
そんな勉強を10年以上続けている。
料理学校に行くべきか?
料理学校に行く流れとして、高校を卒業してその流れで行くというのが一般的である。
私のときは、全体比率で9割以上が高校卒業後に来た19歳ぐらいの学生、
残り1割弱が社会人になってから学び直しで来た社会人(私はこちらでした)
で、料理学校に行くべきかどうかの答えは
「お金と時間があるなら行って損はない」である。
ただ、これだけは知ってほしいのだが、卒業して調理師免許を取ったとしても料理が上手くなっているわけではない。
まず、リアルな話をすると、料理学校に行って手に入る「知識」と「調理師免許」はたいしたものではない。
知識に関しては、書籍で言えば10冊程度(多く見積もっても20冊以下)
調理師資格も、就職にどれだけ有利か?となれば、たかが知れている。
このように書けば、「先生に聞ける環境」やら「一緒に勉強する仲間がいる」「実践の経験が得られる」などの意見もあるだろう。
まさにその通りである。
しかし、
料理の知識0で料理学校に入ると、自分の質問できるレベルが非常に低い。ちょっとインターネットで調べたら乗っていることを先生に聞くだけになる。(私の体験談です)
大谷翔平に野球の基本ルールを聞くようなものである。
とはいえ、逆に「独学で勉強するのか?」となれば、それはそれで大変だ。
私が勉強を続けて分かったことだが、料理の勉強は体系だって教える方法が確立していない。
算数(数学)なら、足し算→引き算→掛け算→割り算・・・・っと続いていき、知識が積みあがっていく。
料理学校に入ると、勉強の流れとしては
包丁の握り方 → ダシの取り方(日本・西洋・中国) → 料理
となる。
知識が積みあがるのではなく、バラバラ存在する。
イメージとしては、各国の年代がランダムな歴史を勉強するようなもの。(※深く勉強していくと最終的には繋がりは見える)
そのため、0からの独学となると、非常にとっつきにくい。
とりあえずこれを読んどき
この記事をここまで読んでいるということは、少なくとも料理に興味があるということだろう。
とりあえず【日本料理のコツ】を読んでおきなさい
500冊以上料理科学の本を読んだが、初心者にお勧めするならこれにする。
これを読んで、分からないことはインターネットで調べるという勉強をしなさい。
仮に料理学校に入る前に、これをしているだけで、全然違うだろう。
私は知識0で料理学校に入学したが、当時のノートを見つけて読んでみたが
自分のノートがカスみたいなことしか書いていなかった。
先生の質問も、ネットに乗っていることだけである。
先生に何を質問すればいい?
料理学校の先生に質問しなければいけないことは、
料理知識ではなく先生の失敗談である。
例えばこんな話を聞いた。
先生が下っ端で働いていたころ、まかないにカレーを20人前作った。
その時、カレーを煮詰めていると、先輩から違う仕事を頼まれて、
ふと目を離したら間にカレーのなべ底が焦げてしまった。
さて、どうしたか?
一瞬、カレーの量が多いから混ぜてごまかしたくなる。
しかし、人間の嗅覚や味覚は非常に繊細で、特に苦味に対して敏感である。
そのため、混ぜたとしても焦げを感知できるのである。
その時先生は、別の鍋を用意して、焦げていない表面だけを丁寧にすくい取って、水とルーを足して増量し上手くごまかせたらしい。
これらの話は授業とは別に、雑談の笑い話として先生が語ったものだが、こういう現場の知識が非常に重要である。
これらの話は、書籍にもネットにも載っていない。
そのため、もし質問するなら、「先生はどんな失敗をしたか?」や、「先生が料理を勉強したときは何をしたか?」など、先生の経験についての質問である。
料理学校では料理は失敗しない
料理学校に行くと、基本的に料理を失敗することはない。
理由は簡単で、先生達がフォローしてくれるからである。
学生の頃、料理学校は厳しいイメージだったが、
今考えると「生徒にめちゃめちゃ甘かった」
例えば、生徒が失敗しかけると注意される(当時はそれが厳しいと勘違いしていたが)
実戦では失敗して終わりである。
料理では失敗しやすいポイントというものがあり、先生は生徒がどこで失敗しやすいか知っているため、先に注意喚起してくれたり、見えないところでフォローしてくれていたりする。
生徒の時は、料理を自分の力で作った気になっていたが、そもそも傷んでいない食材を用意してくれている、下処理を済ましてくれてるなど、全てお膳立てをしてくれている。
(生徒のためというより、授業中に料理を完成させないといけないため)
そのため、家に帰って同じものを一人で作ろうとしても上手く作れない。
例えば生パスタでは、材料は全く同じで手順も同じにしているがなぜか上手く作れないのである。
先生も未熟な時に同じ失敗をしているはずだから、こういった失敗したことを先生に質問しなければならない。
クラスに一人、やばい奴がいる
料理学校に入ると、だいたい40人ぐらいで1クラスとなる。
そうなると、1人ぐらい良い意味でヤバい奴がいる。
超意識が高く、行動力があるやつである。
午後は自習室で勉強したり、調理室を借りて料理の練習をする。
休みの日は、食べ歩きや図書館などに行くなど。
スタートラインは、同じだったはずだが、半年(夏休み明け)には、天と地の差が出ている。
当時の私は、夕方から仕事をしていたので、(17時~24時まで)学校の授業についていくだけで精いっぱいだった。
クラスで一番できる人との差がついて悔しかったのを覚えている。
(自分より年下ということもあったのかもしれないが・・)
とはいえ、一番重要なのは、勉強し続けれるかである。
それは、料理学校を卒業した後もずっとである。
もし、料理学校に行きたいと思っているなら、先ほど紹介した【日本料理のコツ】を入学前に読むことをお勧めする。事前に勉強しているだけでも、だいぶ違ってくるだろう。
料理学校に行かずに勉強したいという人は料理科学の森のホームページを見ることをお勧めする。現在で2000記事ぐらい書いてあるので、書籍で言えば100冊分ぐらいの情報量となっている。
とにかく効率よく勉強したい人は、私の有料記事を読んでみるとよい。
有料記事を書いてみる
さて、ここから先は有料記事についてである。
私は日本で発売されている、料理科学の本はほぼ全て手に入れたと自負している。Amazonはもちろん、図書館や古書などもあさりまくった。
今は、英語や中国語の料理科学の本にも手を出している。
ちなみに合計で300万円ぐらいかかった。
専門書は高いのである・・・・
流石にここまでくると変態の域に達していると自分でも思う。
とにかく、せっかく大量の知識を持っているので、質の高い有料記事を書いてみようと思ったのである。
有料記事の目標として
●料理知識0の人が体系だって料理を勉強できる
●料理レシピを暗記するのではなく、理論を理解できる
●様々な料理の応用できる
の順で進めていこうと思う。
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