大敗のクラシコ バルセロナとの差とは?
258戦目となるエル・クラシコが行われた。
レアル・マドリー0対バルセロナ4
でバルセロナが勝利を収めた。
この結果、マドリ―105勝、バルサ101勝、52引き分けという結果となった。
また、マドリ―としては、リーグ戦&ホームで久しぶりの敗戦となった。
お互いにCLではドイツ勢に対して大勝をしたため、この試合は期待されていた。
マドリ―は、ドルトムント戦の後半にギアを上げたことにより、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積した。そのためか、ヴィニシウスやエンバぺが決定機で力んでしまった。また、バルサよりも走行距離が少なかったことは、このことが影響していると思う。
しかし、バルセロナはマドリ―よりも1日休養が少なく、マドリードに移動しているため、上記は言い訳となる。
点差が開いた試合となったが、2チームの差について書いていく。
交代選手の差
はず初めに感じたことは交代選手の差である。
バルサは後半からF・デ・ヨングが入り、流れが変わった。その後はダニ・オルモ、ガビとスタメンでも出場できる選手が投入された。
対してマドリーは、モドリッチを投入するが流れを変えることができず、その後も負傷空けのブラヒムやフラン・ガルシアを入れるも、状況は変わらず、試合が終了した。
相手の状況に応じて適切な選手を交代で入れることができるバルサに対して、マドリ―はできない。
選手層の違いもあるが、カンテラを上手く融合させているフリックバルサだからこそ選手層が厚いと感じる。
怪我人がいるが、マドリ―もバルサと同様に色々な選手を使い、選手層を厚くしなければ、今後の戦いが難しくなる。
フレンキー・デ・ヨング
この試合で輝いていた選手の1人にフレンキー・デ・ヨングがいる。
フレンキーは、足元の技術はもちろん、豊富な運動量はとサッカーIQが高い選手である。そのため、ビルドアップでは重要な選手の1人となる。
状況を確認し、適切なポジショニングを取り、サポートができる選手であるため、ビルドアップでは数的優位を作ることができる。また、運動量が豊富なため、ボールを出した後にもう一度受け直すことができ、1人で2、3人の動きをするため、捕まえることが難しい。
そのため、いつもフレンキーがいる時はボールを奪うことに苦戦をしている。
バルサの選手でなければ、欲しい選手の1人である。
DFライン
バルサは今シーズンからハイラインで守備をしており、オフサイドを多くとっている。
対してマドリ―もハイプレス、ハイラインをしたいが、連動ができていない。そのため、DFラインがズレてしまい、そのズレを使われて失点をしている。
この試合で見えた差はSBの位置である。バルサのSBはCBよりもラインが高いことが多いが、マドリ―のSBはCBよりもラインが低い。
そのため、バルサはオフサイドが取れて、マドリ―は取れなかった。
マドリ―の守備
まずは、マドリ―の守備について書いていく。
13分のヤマル決定機と54分のバルセロナ1点目で同じような守備をしていたため、この2つのシーンを使う。
どちらのシーンも、CB(ミリトン、リュディガー)が前に出たところを狙われた。両方のシーンのSBの位置を見ると、上の図ではメンディがCBよりも位置におり、下の図ではCBよりもSBが低い位置にいる。
そのため、CBがオフサイドトラップを仕掛けても、SBが低い位置にいるため、オフサイドにはならない。
CB、SBどちらが悪いのかではなく、チームとしてラインコントロールがしっかりしていないため、図のようにズレが生じてしまう。
2シーズン前にミリトンとリュディガーがコンビを組んだ時からラインコントロールについては課題であった。彼らは前に出てボールを奪うのは得意だが、カバーは苦手である。そのため、ズレができてしまい、ピンチとなる。
エル・クラシコの前半のように、マンツーマンではなくゾーンで守り、イタリアのように粘り強い守備をしなければ簡単に失点をする。
バルセロナの守備
対してバルセロナの守備はラインが整っており、12回オフサイドを取った。
バルサのハイラインは高く、ハーフウェ―ラインでラインを設定している。
そのため、早く動き出してしまうとオフサイドになる。
実際、エンバぺが多くオフサイドに引っかかっていたが、彼はスピードがあるため、少しでも早く動き出してしまうとオフサイドになってしまう。
また、WGが相手のCBにプレスをかけるため、SBが必然と相手のSBにプレスをかけることになる。そのため、SBの位置はCBよりも高い位置となる。また、SBとCBが同ラインとなったとしてもラインコントロールがしっかりしているため、SBが1人残るといったことがない。
しかし、バルサの守備でも弱点がある。
上図は30分のシーンである。エンバぺが半身出ていたため、オフサイドとなったが、バルサ攻略の鍵となる。
バイエルン戦でも気になったが、サイドからの斜めのボールに対しての守備が不安定である。特に、上図のように、イニゴ・Mの背後を狙った攻撃が効果的である。
ラインを高くすることを意識しているため、背後を狙われた時にラインを下げることができていない。また、クバルシのカバーがややあまいと感じる。
この試合ではベリンガムは右サイドであったが、彼がトップ下であれば、上図のようなシーンで2列目からの飛び出しからGKと1対1のシーンを作ることができたと思う。
トップレベルのチームと戦うと、チームの完成度の差を感じる。
エル・クラシコでは、バルサと組織力の差があるといつも感じていたが、今回は特に差があったと思う。
また、この試合で特に感じたことは、ベリンガムは中央でプレーすることが一番であること。守備に時間を割き、彼の良さがあまり出なかった。
ここまでの試合を観て上図の人選と形が適切ではないかと思う。守備では、ドブレピボーテがサイドをカバーすることができ、状況に応じてカマヴィンガが左サイドに流れ、ベリンガムを下げて4-4-2の守備ができる。
ヴィニシウスが左サイド、エンバぺは中央に居続けることで彼らの特徴を活かすことができる。
試行錯誤をしてアンチェロッティが最適解を見つけてくれる思う。