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電脳世界を食い荒らす果てしなき欲望の権化!『ウルトラマンアーク』第8話「インターネット・カネゴン」

さあ、恐れていたこの回がやってまいりました。カネゴンの復活。デジタルでもカネゴンヌでもない正真正銘の「カネゴン」、しかも総集編ではなく通常回、さらにウルトラマンとの対戦付き。
脚本はSF作家の吉上亮氏、監督は前話に続いて越知靖氏です。
吉上先生も越監督もXのポストで熱い思いを語っています、必読!

冒頭から登場するカネゴン。
いやあ、やっぱり可愛いですね。
今回の声の担当は、ベテラン声優・折笠富美子氏。
声も演技も、初代カネゴンの雰囲気がよく出ています。

さて、Aパート早々、景気の悪い星元市とSKIP分所。
そんな中で、星元市の経済活動に入り込んでいる支払いシステム「ホシペイ」。
支払い完了の音がウルトラQのテーマと芸が細かいです。
円谷さん、支払い画面の画像公開してください。


節約に悩むユウマに、動画配信での投げ銭ビジネスを持ちかけるシュウ。
コーヒーが絡むと人格が崩壊するシュウ、「こんなヤツおらんやろ」と思いますが、これぐらい振り切った方がウルトラらしい。

作った動画のキャラ名が「アルファ」と「オメガ」、『アマゾンズ』かい!
まあ、破滅的にセンスのないネーミングと動画です。
当然バズるわけもなく。
チャンネル登録者増加を目論み、職権濫用で『SKIP公式・怪獣情報配信』を企むシュウ。
ヒロシ所長、大人の対応でかわします。
所長に「アルファ」と「オメガ」のポーズを褒められ、マジ照れするシュウ。
説明セリフだらけなのに会話のテンポが「シン・ゴジラ」なみに素晴らしく、見惚れてしまいます。
なんだかんだで「ホシペイ」配信トップが怪獣・カネゴンであることを突き止めるSKIP。
怪獣調査ではなくまさかのコラボを提案するシュウ、今週は完全にポンコツモードです。
「コーヒーを飲み過ぎるとこんな大人になるからダメよ」ってお母さんが子供に注意するレベル。
そこに飛び込んできた株式会社「ホシペイ」CEO・銅金カナオからの依頼。
ネーミングが初代カネゴンの変身者・加根田金男っぽかったり、「体は銅貨の銅みたいに赤光り」という原点のセリフを反映していたり、と妄想。


大学の研究者だった銅金CEOの研究テーマは、「欲望の可視化」。
その研究の社会実装のために作った「ホシペイ」、カネゴンは「ホシペイ」アプリ内に作られた、自立型AI=V(バーチャル)怪獣でした。
いやあ、新しい!現在の社会構造を基礎にした設定の再構築!
流石SF作家、この設定がいかにも『ウルトラQ』っぽいです。
カネゴンの解説をする銅金CEOが、原作の祈祷師っぽかったり、経済解説では一の谷博士のコスプレしたり。
演じる小川涼氏の、美人の無駄遣い感がもの凄いです。

そのカネゴン、アプリ内で暴走し、楽しい動画を勝手に配信して投げ銭を集めまくり食べまくり、お金の市場循環が麻痺し、リアル経済に悪影響が出ているとのこと。
SKIPとホシペイによる、カネゴン捕獲作戦が実施されます。


怪獣災害時の通信確保のために作られた気球内のサーバーにカネゴンを閉じ込めたまでは良かったものの、空腹のためカネゴンが暴走、飛行船が落下していきます。
ユウマはアークに変身、飛行船をキャッチするも、カネゴンに捉えられてしまいます。

決戦はこれもまさかのコンピューターワールド仮想空間。
勘違いニッポンを絵に描いたようなカオスな空間。
パサルートまでついています。
暴れるカネゴンを捕獲しようとするアークですが、カネゴンが意外と強く、イマイチ攻撃が決まりません。
ベム怪獣は、魔空空間では三倍の力を発揮できるのだ!
そこへまさかのアシストウエポンユピー参戦!
こちらもまさかのアークと同サイズで共闘です。

仮想空間にユピーを送り出し、モニターを見守るグリッドマン同盟リン、ヒロシ所長、銅金CEO。
コンピュータに侵入した途端に本体が寝てしまうユピーがお茶目。
ユピー、カネゴンに修正プログラムを食べさせようとするも「苦い!」と吐き出され、うまくいきません。
子供か!!

何ともグダグダな戦いの最中(褒めています)、ホシペイの準備金をたらふく喰ったカネゴンはさらに巨大化、アークはユピー走行モードに乗って逃げ出します。
ユピーウルトラマンの爆誕です。
しかし超巨大カネゴンにサーバーの処理能力を奪われ、ユピーは仮想空間から排除されてしまいます。

残ったアークはルーナアーマーを装着、ルーナソーサーをフライパンにして、修正プログラムを調理!
いい匂いがしてきたところで、ソーサーごとカネゴンの口に投擲!
ここで所長に「投げ銭ってこれか!」と言わせたセンスが凄い!
プログラムが機能したカネゴンは、体内に溜め込んだホシペイを市場に排出。
ここでカネゴンがロケットで飛ぶところも細かい!
仮想空間を脱出したカネゴンは実体化、星元市のアイドルになったのでした。
カネゴンを見守る銅金CEOの眼差しが暖かいですね。
二人はきっと良いパートナーになるでしょう。
そーいやカネゴンが実体化したら、もうV怪獣とは呼べなくなる、これはコイン怪獣への回帰なのか?とぐるぐる。

お話のラスト、動画内でカネゴンに変身するシュウ!
投げ銭に執着する彼が、二代目V怪獣になってしまったのでした。
ここまで原点をリスペクトしてくるとは!
『ウルトラQ』をみたことのないちびっ子には「ポカーン」かもしれませんがwww


いかがだったでしょうか。
正直、今回は単純なギャグ回だろうとなめてかかっていたら、経済についての講義はあるわ、現代社会への風刺が効いたSF感溢れるストーリーだわ、そして何より『ウルトラQ』に多大なリスペクトを寄せてくださったのが嬉しかったです。
全体に漂う緩〜い感じも昭和感が感じられました。
脚本も演出も最高、『ウルトラQ』の一編として十分に納得できる神回でした。
書いていて目頭が熱くなりましたよ。
ありがとう吉上先生、ありがとう越監督!

そして次回、遂にあの夢の対決が実現か!?

四国の田舎からエールを送ります。





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