その33〜生産性を高めるために「年の功」を生かす〜
※忙しい人向け、この記事の要約です。
「ったく、最近の若いヤツは…」
と、
「ったく、それはもう時代遅れなんだよ」
という対立は、「あるある」ですよね。
世代間の格差はなかなか埋められるものではないのかもしれません。
一方の意見を聞かずに排除して、似た人たちで集団を作る。
というのは自分たちを守るために必要な手段ではありますが、
このAIが浸透してきた時代を生き残っていくには、
知識ではなく、長年培ってきた「知恵」が大事なんです。
ということで今日ご紹介する論文はコチラ。
タイトルは、
「生産性の高い多世代チームをつなぐ「知恵」の力
エイジダイバーシティの価値を理解しているか」
それでは早速見ていきましょう!
論文の要約
そもそも「知恵」って何?
という感じですが、この論文の筆者は以下のように定義しています。
「代謝された経験」
ってわかりにくいなぁ…
ということで、
「知識を用いて様々な場面を乗り越えてきた経験」
というようにも言い換えてみたいと思います。
年長者の知恵を「年の功」と呼んだりもしますよね。
若い人にはエネルギーやチャレンジ精神など、組織を推進していく力がありますが、
年長者には冷静な判断をする洞察力があります。
これらを組み合わせ、年長者の経験(知恵)を組織の中で活かしていくことが、生産性の向上や労働者の定着率にいい影響をもたらすことが分かっているようです。
以前コチラの記事にも書きましたが、時代遅れにならないために必要なこととして、「自分の強みを正直に理解する」とありました。
まさに、様々な場面をくぐりぬけてきた経験こそが、強みの一つであると言えるでしょう。
また、「他者に貢献する姿勢が必要である」
とも書いています。
その経験をひけらかすのではなく、他者に活かしてもらうために使うことが、
組織を前に進め、
自身の役割を果たすことになります。
家庭に置き換えて考えると…
僕の記事を読んでくれている方の多くは、子育て世代の方かと思います。
僕自身もその世代ですが、
ちょうど間に挟まれた世代ですよね。
自身の親もまだ子育てに関わってくれていて、かつ、若い世代である子供たちを育てている。
そういう状況において、
・子供たちに、自分の生きてきた「知恵」をどのように提供していくべきか
・自分の両親から「知恵」を引き出すには、どのようにかかわっていくべきか
を考え、実行してみることで良い練習になるのではないでしょうか。
そこで必要になってくるのが「抽象↔具体」を変換するスキルです。
おそらく、両親からのアドバイスは、今の時代の背景とズレがあると思います。
それを引き出したうえで「抽象化」し、現代に当てはめていく。
逆に、子供たちにアドバイスする時には、一旦抽象化したものを子供たちが分かりやすいように「具体化」する。
このようにして、うまく知恵を伝えていくことが、良い練習になると思います。
まとめ
今回は「多世代のチームにとって必要な知恵の活かし方」をテーマにした論文を紹介し、家庭で練習していく方法を書いていきました。
おそらく企業においても、子育て世代は、業務の中心にいる世代だと思います。
自分たちが組織を推進していくために、
・若い力
・年長者の知恵
をどうブレンドしていくかを実行する機会として、家庭でうまく練習していきましょう!
それではまた次回。