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その33〜生産性を高めるために「年の功」を生かす〜

※忙しい人向け、この記事の要約です。

この記事では、AIが「知識」に取って代わる中で、人間の「知恵」が重要になることが大切です。
多世代チームでは、年長者が得た経験を若手に伝えることが生産性向上につながります。
家庭でもこの「知恵の共有」を活かすことができ、子どもに自分の経験を再構築し、具体的にわかりやすく伝えるスキルが求められます。
また、親からのアドバイスも同様に時代に合わせて使えるように変換することが重要です。


「ったく、最近の若いヤツは…」
と、
「ったく、それはもう時代遅れなんだよ」
という対立は、「あるある」ですよね。

世代間の格差はなかなか埋められるものではないのかもしれません。

一方の意見を聞かずに排除して、似た人たちで集団を作る。
というのは自分たちを守るために必要な手段ではありますが、

このAIが浸透してきた時代を生き残っていくには、
知識ではなく、長年培ってきた「知恵」が大事なんです。

ということで今日ご紹介する論文はコチラ。
タイトルは、
生産性の高い多世代チームをつなぐ「知恵」の力
エイジダイバーシティの価値を理解しているか


それでは早速見ていきましょう!


論文の要約

この記事は、AIが人間の「知識」に取って代わる世界で、人間の「知恵」が重要になることを論じています。
デジタルネイティブが増える中、経験から得た知恵が求められる時代が到来します。

年長者の従業員がメンターとして持つべき最適な資質は、
・エゴがあまり強くなくて協調性のスキルが高いこと
・会話を広げる質問をするのが得意なこと
・相手が善悪の判定ではなく、贈り物として受け止めるような、率直な洞察を提供できること
です。


世代を超えた知恵の共有は、チームの生産性向上や労働者の定着率に貢献します。
以下のようなアクションをしていくと効果的です。

①経験豊富な従業員が若い世代に知恵を伝えること。

②組織内で知恵の価値を明確にし、継続的に共有する仕組みを導入すること。

③メンターシップや相互学習を通じ、若手とベテランが共に成長する機会を増やすこと。

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10813
より抜粋して改編

そもそも「知恵」って何?
という感じですが、この論文の筆者は以下のように定義しています。

私は「他者と共有する代謝された経験」と定義している

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10813より引用

「代謝された経験」
ってわかりにくいなぁ…
ということで、
知識を用いて様々な場面を乗り越えてきた経験
というようにも言い換えてみたいと思います。
年長者の知恵を「年の功」と呼んだりもしますよね。

若い人にはエネルギーやチャレンジ精神など、組織を推進していく力がありますが、
年長者には冷静な判断をする洞察力があります。
これらを組み合わせ、年長者の経験(知恵)を組織の中で活かしていくことが、生産性の向上や労働者の定着率にいい影響をもたらすことが分かっているようです。

以前コチラの記事にも書きましたが、時代遅れにならないために必要なこととして、「自分の強みを正直に理解する」とありました。

まさに、様々な場面をくぐりぬけてきた経験こそが、強みの一つであると言えるでしょう。

また、「他者に貢献する姿勢が必要である」
とも書いています。

その経験をひけらかすのではなく、他者に活かしてもらうために使うことが、
組織を前に進め、
自身の役割を果たすことになります。

家庭に置き換えて考えると…

僕の記事を読んでくれている方の多くは、子育て世代の方かと思います。

僕自身もその世代ですが、
ちょうど間に挟まれた世代ですよね。

自身の親もまだ子育てに関わってくれていて、かつ、若い世代である子供たちを育てている。

そういう状況において、

・子供たちに、自分の生きてきた「知恵」をどのように提供していくべきか

・自分の両親から「知恵」を引き出すには、どのようにかかわっていくべきか

を考え、実行してみることで良い練習になるのではないでしょうか。


そこで必要になってくるのが「抽象↔具体」を変換するスキルです。

おそらく、両親からのアドバイスは、今の時代の背景とズレがあると思います。
それを引き出したうえで「抽象化」し、現代に当てはめていく。

逆に、子供たちにアドバイスする時には、一旦抽象化したものを子供たちが分かりやすいように「具体化」する。

このようにして、うまく知恵を伝えていくことが、良い練習になると思います。

まとめ

今回は「多世代のチームにとって必要な知恵の活かし方」をテーマにした論文を紹介し、家庭で練習していく方法を書いていきました。

おそらく企業においても、子育て世代は、業務の中心にいる世代だと思います。
自分たちが組織を推進していくために、
・若い力
・年長者の知恵
をどうブレンドしていくかを実行する機会として、家庭でうまく練習していきましょう!

それではまた次回。

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