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仕事におけるコニュニケーション能力とは?

1. はじめに:プライベートの「話し上手」が、仕事では通用しない?

私は普段、AI社員(アバターやチャットボット)開発を行っている会社の代表をしています。社長業・開発としての役割が中心だったのですが、「自社サービスをもっと広めるには自分自身が動こう!」と思い立ち、初めて本格的な営業にも挑戦してみることにしました
ただ、いざ始めようと思うと「商品を売り込む」というより、お客さまの困りごとを理解したうえで解決策を提案するソリューション営業が求められているらしい。

そこでぶつかったのが、“お客様の課題の核心”をつかむのが難しい!

という壁でした。

友人からは「もともとコミュニケーション能力が高いでしょ?」と言われることもあります。でもよく考えてみると、それって飲み会の場で盛り上げるのがうまい、初対面の人とでも雑談できる、という “プライベートなコミュ力” の話なんですよね。

仕事で求められるコミュニケーションって、もしかして全然別ものじゃないか? と気づき、あらためて仕事のコミュニケーション能力って何かを調べてみたので、まとめてみます。

2. ビジネスにおけるコミュニケーション能力の定義

「コミュニケーション能力」と聞くと、“話がうまい人” を思い浮かべがちですが、ビジネスシーンではそれだけでは不十分なようです。いろいろ調べてみると、仕事で言うコミュニケーション能力には以下のような要素が含まれていました。

• 傾聴力:相手の話を正確に理解しようと耳を傾ける力

• 質問力:深掘りを促す質問をする力

• 伝達力(表現力):自分の意見・提案を明確に分かりやすく伝える力

• 論理的思考力:情報を整理・分析し、筋道立てて説明できる力

• 共感力:相手の立場や感情をくみ取り、寄り添う力

• 説得力:論理・共感・信頼感を組み合わせ、納得してもらう力


ここで印象的だったのは、「上手に喋ること」だけがコミュニケーション能力ではない、という点です。むしろ、相手の話をどう聞くかや、必要な情報を引き出す質問のしかたがかなり重要視されていました。

3. プライベートと仕事のコミュニケーションはどう違う?

正直、私はずっと「コミュニケーション能力=誰とでも仲良くなれる能力」だと思っていました。実際、友人や知り合いと楽しく雑談するのは得意です。しかし、ビジネスの現場では会話のゴールが“仲良くなる” だけではないわけです。

• プライベートの場合

• お互いに楽しく過ごし、良好な関係を築くのが目的
• 話題が豊富だったり、雰囲気づくりがうまいと「コミュ力高い」と言われる

• 仕事の場合

• プロジェクトの合意形成や問題解決など“明確なゴール”が存在
• ときに厳しい意見交換も必要になる
• 「場を盛り上げる力」よりも「論点の整理」「情報の深掘り」「結果を出すための対話」が求められる

このギャップが大きいことに気づき、「あ、プライベートとは本質的に違うんだ…!」と納得しました。
つまり、仕事におけるコミュニケーション能力=問題解決や目標達成のための情報交換・意思疎通スキルなんだな、と。

4. ソリューション営業で大切な「課題のセンターピン」とは

私が特に悩んだのが、ソリューション営業における「課題のセンターピン」を見つけるというところ。
「センターピン」とはボウリングの1番ピンにあたるもので、そこを倒せばほかのピンも連鎖的に倒れる、つまり“解決のカギ”になる部分の比喩です。
• 顧客が抱えている複数の課題のなかで、“もっとも本質的かつ大きな影響を与える問題”を見抜く
• ここが見えないまま商品を売り込んでも、本当の解決につながらず、「ウチのニーズと違うんだけど…」とズレてしまう
だからこそ、ソリューション営業では

「相手が気づいていない真の課題は何だろう?」

と考えながらヒアリングすることが肝心。でも、その「真の課題」をどうやって見つけるのかが難しい……というわけです。

5. 課題のセンターピンを見抜く3つのアプローチ

いろいろ調べたり、営業で成功している方々の話を聞くと、大きく3つのアプローチがポイントになりそうだとわかりました。

(1) ヒアリング力(傾聴・質問)の徹底強化

1つめは、とにかく顧客の話をしっかり聞いて、必要な情報を引き出すこと。

  • 積極的傾聴(アクティブリスニング):相槌や要約を挟みながら、相手に「ちゃんと聞いているよ」と伝える

  • 相手が答えやすい質問から始める:いきなり核心を突くより、担当者の守備範囲や得意分野の話題でウォーミングアップ

  • 信頼関係づくり:こちらが「貢献したい」「役に立ちたい」という姿勢を見せると、相手も心を開きやすくなる

「聞くことなんて当たり前」と思っていましたが、意外とちゃんと聞いてなかったり、自己主張を押し付けがちだったりして…。まずは徹底して相手の話を聞く姿勢を作ることが、センターピン発見の入口みたいです。

(2) フレームワーク思考で問題を深掘り

2つめは、SPINモデルやロジカルシンキングなどのフレームワークを使うこと。

  •  SPIN質問法:

  • Situation(現状)

  • Problem(問題)

  • Implication(影響)

  • Need-Payoff(解決後の利点)

と順番に質問していくことで、潜在ニーズを顕在化させる。

• Why? を繰り返す
• 5回の「なぜ?」で原因を深掘りし、真因に迫る

こういったフレームワークを頭に入れておくと、質問がブレにくくなるそうです。ただし、尋問っぽくならないよう、会話のキャッチボールも忘れずに。

(3) 非言語コミュニケーションの活用

3つめが、言葉以外の表情や声のトーン、アイコンタクトなどを意識すること。

  • こちらの非言語サインで安心感を与える:笑顔・うなずき・適度なジェスチャー

  • 相手の微妙な表情・仕草を読み取る:言葉は肯定でも、表情が曇っていたら「まだ不安がありそう?」と察知する

  • 沈黙を怖がらない:質問したあと相手が考えているときに畳みかけない

意外と“雰囲気”だけで本音を引き出せることもあるため、五感でコミュニケーションをするイメージが重要なんだとか。

6. 成果を出す営業パーソンの共通点

トップクラスの営業パーソンを観察すると、以下のような行動パターンが共通しているようです。

• 短時間でも要点を整理して伝えられる:結論がハッキリしていて分かりやすい

• 傾聴力とヒアリング力が高い:相手の話を遮らず、質問も適切

• 非言語コミュニケーションが巧み:表情・声のトーン・ジェスチャーで安心感を与える

• 論理的思考が備わっている:論点を素早くまとめ、問題解決策を筋道立てて提案できる

• ファシリテーション能力がある:社内外を巻き込み、スムーズに合意形成へ導く

要は「話し上手なだけ」じゃなく、論理・共感・状況対応力のバランスが高い人が活躍しているのだな、と改めて実感しました。

7. コミュニケーション能力を鍛えるためのトレーニング方法

「話すのが得意な人は生まれつきだ」と思いがちですが、実は意識的な訓練で確実に伸ばせるみたいです。たとえば、以下のようなトレーニング法があります。

ロールプレイ&ケーススタディ

• チームで顧客役と営業役に分かれ、ヒアリングから提案まで練習
• 終了後にフィードバックをもらうことで、自分の癖や改善ポイントを把握

積極的傾聴の練習

• 日常の会話で「相手の話を最後まで聞く」「要約して確認する」を徹底
• 1日のうち必ず1人は意識的に“聞き役”に回ってみる

非言語コミュニケーションのチェック

• 鏡や録画で自分の表情・姿勢・声のトーンを客観的に確認
• どこが固いか、どんな印象を与えているかを分析し、修正していく

周囲からのフィードバック活用

• 先輩や同僚、上司に「自分のコミュニケーションどうだった?」と聞いてみる
• 第三者から見た改善ポイントはとても貴重

資料作成・文章作成で論理力UP

• 日報や提案書を「結論→根拠→具体例→再結論」のフレームで書く練習
• 自分の説明を録音・書き起こして、ムダな言葉が多くないか確認

どれも実践あるのみで、完璧にできるようになるには時間がかかるかもしれません。ただ、続けていくうちに確実に感覚がつかめてくるはずです。

8. まとめ:コミュニケーション能力は「仕事の武器」になる

こうして改めて調べてみると、やはりプライベートの「仲良くなる」コミュニケーションと、仕事で成果を出すためのコミュニケーションは別物だと痛感しました。

• 仕事では、課題解決や目標達成が最優先

• 傾聴・質問・論理的な伝え方・共感・説得といった要素が組み合わさって相手と「成果」に向かうコミュニケーションになる

• ソリューション営業では特に、顧客が抱える“課題のセンターピン”を見抜き、それを解決する提案を導くプロセスが重要

• これらのスキルは一朝一夕では身につかないが、意識的なトレーニングと場数で確実に伸ばせる

私自身、まだまだ試行錯誤の途中ですが、「あ、ここはこう質問してみよう」「もうちょっと相手の表情を見ながら話したほうがいいかも」と意識するだけでも変化を実感しています。実際にヒアリングを重ねていくと、お客さまが本当に困っていることは別のところにあったりして、“課題のセンターピン” に近づけるとワクワクします。

コミュニケーション能力は、業種や職種を問わず、キャリアの大きな武器になると感じています。

もし同じように「プライベートのコミュ力はあるけど、仕事ではイマイチ…」と悩んでいる方がいれば、今回のまとめが少しでも参考になれば幸いです。私も引き続き、試行錯誤を続けていきます!

以上、「仕事で求められるコミュニケーション能力って何だろう?」と改めて考え直してみた調査メモでした。私もまだプロフェッショナルというわけではありませんが、同じように悩む方がいたら、少しでもヒントになればうれしいです。

ちなみに、私たちAnystar株式会社では、「ロールプレイAI」「会話分析AI」を開発しています。これは営業担当者が実際の商談を想定したロールプレイをAIと行い、そのやり取りを自動で分析・フィードバックできる仕組みです。

ロールプレイAI:実際の顧客役をAIが担い、様々なパターンの質問や反応をシミュレーション。担当者は何度でも練習しながら、自然な会話の中でスキルを磨けます。

会話分析AI:ロールプレイや実際の商談録音をテキスト化し、発話内容や頻出ワード、話す速度や間の取り方などを可視化してくれる機能。自分の弱点を客観的に把握し、改善に繋げられます。

このように、人手ではカバーしきれない部分をAIがサポートし、ビジネスパーソンのコミュニケーション能力向上を後押しするのが狙いです。興味があればぜひご相談ください。

私自身、営業やお客様対応にはまだまだ苦手意識があります。しかし、避けていては前に進めないと考え、試行錯誤しながら学び続けています。
同じように「営業が得意ではない」「もっとスムーズにお客様と対話できるようになりたい」と感じている方の力に少しでもなれたら…そんな想いで、このAIの開発を進めています。

また、AI駆動開発の法人向けハンズオン講座も実施しています。
AIを活用したプロダクト開発や業務改善に興味のある企業の方は、ぜひご相談ください!

ご興味のある方は、以下までお気軽にご連絡ください。
Anystar株式会社 代表:守興麻理絵
info@anystar.ai

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