逆張りや反動だけでは「真実」は見えてこない
少し前にmRNAワクチンの成分をトマトに入れるとか米に入れるとか最近では牛乳に混入するとかそういう話が出回り、ある知識人はリンゴに塗ってるみたいな事を言ってるがそういうのにはいささか疑問がある。まず自分が打たせる立場だったらとあえて想定すれば、はじめからそうすれば良いじゃないかとすぐ思ってしまうからだ。わざわざ郵便で券配って列に並ばせて筋肉に針刺す必要がない。
で、現にそうしてないということはそれができないということでもあり、ふつうに考えればmRNAワクチンは血中抗体IgGを誘導するようにできているのだから、筋肉接種部位から静脈を通じて全身血管に入る、という機序を辿らなければ「作用」し得ない。人体というのはチクワのような大きな筒で、口の中も食道も胃も腸も肛門もすべてチクワの筒の中であり生物学的には体の「外側」になる。体の内側はチクワの肉部分で血管も当然その「内側」にあるわけで、生物学をちょろっとでも習ってるとそれは容易に理解できる。
なので、食品を媒介して口から入ってきてもあくまでそれは人体の「外側」だし、胃液で分解されるだろうとまず思ってしまう。その上mRNAは氷点下70℃でなきゃ保存できない設定だったはずなので、常温や冷蔵で店頭に置いてる食品でそれができるだろうか?という疑問は当然すぐわいてくる。
なのでそうした食品混入はできる気がしないし、何より懸念されるのは、そうした情報が誤りだった場合、デマ屋の太郎を批判することができなくなってしまうという点にある。少なくともそれは説得力を欠いてしまうだろうし、河野太郎は「反ワクどもよありがとう」と、そうした状況を喜ばしく思うかもしれない。そしていたずらに不安を煽るのは結局テレビ屋がやってきたことの裏返しでしかない。
テレビといえば前述の知識人は「テレビと反対のことをやればいい」みたいに公言もしていて、要するにこれは単なる逆張り・反動でしかない。単に「テレビと反対」ならナントカのひとつ覚えで「自分の頭で考えて」その結論に到達するわけではないと自白してるも同然で、その丸出しの知的不誠実さには心底唖然とさせられるものがある。
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