◇ 本格焼酎 Log ◇ ~ 伊佐大泉 瓶熟成古酒〔 芋焼酎 〕 ~
■ 店長日記 2005.06.15
『 伊佐大泉 瓶熟成古酒 』 No.0004
原料 : 芋
製造元 : 大山酒造(合名)
産地 : 鹿児島 ・ 伊佐郡 Map
度数 : 25度
容量 : 1.8L
酵母 : -
麹菌 : -
麹 : 米
水 : -
蒸留 : 常圧蒸留
杜氏 : -
仕込み容器 : -
貯蔵容器 : -
貯蔵期間 : -
<テイスティング>
これだけラベルがボロボロなので味わいに多少の不安があったが、
なんとこれが驚きの旨さだったのである。透通り洗礼されたその味
わいは、まるでサクランボのような甘くフルーティーな味わい。
とてもじゃないが芋から出来たお酒とはまるで想像できない。そん
な印象の味わいである。ストレートとお湯割も悪くはなかったが、
ほんの少しえぐみを感じた。最高に旨かったのはロック。冷んやり
とフルーツ系の甘さが口の中に広がる。
水割りもいい。8:2の水割りはまるでカクテルのような...。
お洒落なひと時を与えてくれた。
by Takashi Kubota 2005.06.14
<Memo>
■ 「製造年月日」と優しい声 ■
ラベルがこのような状態なのでいつ頃製造されたものなのか気に
なった。蔵元さんに問い合わせてみたが、「本来であればラベルの
裏に製造年月日を印刷している」とのこと。確認してみたが、残念
ながらそのような表示は見つからず、そのことを蔵元さんに伝える
と「普通は表示されているはずなんですが...?もしそれがないと
するとかなり昔のものかも知れません」。そんなことを話してくれた。
大山酒造さんは1905年・明治38年の創業である。ということは
創業されてから丁度100年ということになる。まさか今回の焼酎が
100年前のものとは思えないが、1本の焼酎に歴史とロマンを
感じずにはいられなかった。余談であるが、電話で対応して下さっ
たその女性は、とても穏やかで優しそうな印象の方だった。少し
お歳を召されているような感じで、おそらく蔵元の奥様であったよう
に思う。今回、このような問いかけに対し、非常に丁寧に対応して
下さり、説明して下さった。本当にありがとうございました。
今は芋焼酎(伊佐大泉)一本の蔵元さんであるが、本当にはじめの
ころは伊佐米を使った米焼酎を造り、地元の方に配っていたそうで
ある。100年たった今、異常なほどの焼酎ブームが起きているが、
そんな昔のお話をお聞きし、地元で日常愛されていた焼酎の姿と
なんとものどかな田舎の風景とが、電話の向こうの優しい声と共に、
私の頭の中でぼんやりと重なりあっていた。
今回の焼酎ブームがどんな方向に向かっていくのか、先のことは
分からないが、日本の昔の温かい風景と気取りのない焼酎文化を
末永く伝えていけたら...。
そんなことを再確認させてくれた、そんな一本でありました。
2005.06.14