【館長倫子の絵本たいむ】~絵本作家・手島圭三郎さんの番組を見て
11月7日(日)NHK、Eテレ(20:00~21:00)の日曜美術館(再放送)「絵本作家・手島圭三郎、版画で描く北の大自然、ヒグマ、シマフクロウ、躍動する動物たちの命、85才最後の創作現場」に私は釘付けになりました。
絵本美術館 森のおうちには、小さいけれど、沢山の児童文学や絵本がところせましとぎっしりつまった図書室(約1万冊)があります。ご来館下さったお客様は、自由にどの本でも手に取って見て頂けます。
その中にことに大切なシリーズものなどが入ったガラス戸の棚があるのですが、その一角に私の宝物、手島さんの全5冊セット「きたのもりから」と「神々の物語カムイ・ユーカラ」の2シリーズが収められています。
何と、これらを描きあげた手島さんのアトリエから、その創作現場が公開されたのでした。
私がこのシリーズを手に入れたのはすでに22刷目が発刊された1992年頃だと思います。今から29年ほど前のことでした。森のおうちがオープンしたのが1994年4月29日、現在28年目を歩いていますが、手島さんのこのシリーズはずっと森のおうちの歴史を見続けてくれたことになります。
放送翌日、館に出勤して一番先にこのシリーズを本棚から引き出して、懐かしく温かなものに出会ったように、愛おしく思いつつ一冊一冊ドキドキしながら開いています。
どのようにこの作品が生まれたのかが良くわかった私は「きたのもりから」の素晴らしさを、お一人でも多くの方に語り伝えるお役目を、絵本美術館の館長としてはたしたいと思います。
私は83才、手島さんより2才年下です。まだまだ元気で歩みます。
森のおうちと共に。
(絵本美術館 森のおうち 館長 酒井倫子)
最後までお読みいただきありがとうございます。 当館“絵本美術館 森のおうち”は、「児童文化の世界を通じて多くの人々と心豊かに集いあい、交流しあい、未来に私たちの夢をつないでゆきたい」という願いで開館をしております。 これからも、どうぞよろしくおねがいいたします。