島日記 月と里芋
月がきれいだ。
明るすぎるきらいはあるけれど。
立待月から居待、今夜は寝て待つしかない寝待月だ。
次第に月の出が遅くなり有明の月が見られるようになる。
ツクツクボウシの声も聞こえ、夏の終わりを告げている。
島は春と秋は短いので夏の終わりはまだまだ続く。
野菜もようやく無人市に出始めてきた。
サトイモ、カライモ(サツマイモ)がどっしりと並んでいる。
サツマイモ好きの人は嬉しい季節だろう。
私は呑んべいなのでサトイモのほうがいい。
サトイモは東南アジア原産のタロイモの仲間。
稲作より早く渡ってきて、ジャガイモやサツマイモより古くから食べられている芋だ。
種類が多いので呼び名も多くある。
素朴な味で保存がきく、ヌルヌルするのが厄介だがレンジを使えば楽にむける。
掘りたてをいただいたのでしばらくはサトイモ料理が続く。
台所の隅にあるカゴの中をちらちら見ながら、今日は何味で食べようかと考える。
素材がいいし、まだ小さいので単品で煮たり和えたり焼いたりで十分。
中秋や芋名月には少し早いが、サトイモで晩酌としょう、日本酒で。
昨夜は月の出る前に天の川がはっきりと見え、星空を満喫、待ちくたびれた頃、月がのぼってくる。
夜中3時頃は中天にあり神々しい光を湛えていた。
懐中電灯は必要ない、本も読めるほどに。
「天高く馬肥ゆる秋」など今ではあまり耳にしない言葉であるが、言い得ている秋の景色だ。
まだ低い入道雲と高く見えるうろこ雲が混ざりあっている秋の初めの空、端境の季節をおおいにたのしもう。
食欲がいちばん。
今日もお付き合いくださってありがとうございます。
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