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雨あがりの妄想とそらまめ
雨の日の午後遅く、カーテンを思いっきり開いて、寝そべりながら本を読んでいた。
「うぁーまぶしい」
灰色の雲の中から、いきなり太陽の光が飛びこんで来た。
目を閉じて、光に身をゆだねていると、少しづつ穏やかな心持ちになっていった。
羊水に包まれているときもこんな感じだったのだろうかと考えた。
もしかすると、お迎えはこんなふうにやって来るのではないか。
柔らかくて温かい、白くて雲のようなものに包まれ、心地よさを一瞬味わう。
そして意識がなくなっていく。
前回お葬式の話を書いたので、脳内がそんな雰囲気になっているのかも知れない。
縁起でもない。「くわばら、くわばら」
雨も上がったし、何か愉しいことはないだろうか。
と言っても…そうだ、今夜の酒の肴を作ろう。
塩ゆでそら豆のおすそ分けがあった。
そら豆は、今が旬だ。
毎年一週間ほど野菜市に出まわる貴重な食材だ。
島では栽培が難しい豆科らしい。
さやのまま焼くと蒸し焼きになり、おいしい。
そろそろ出まわる頃かなと思っていたところだ。
明日サヤつきを買いにいこう。
スナップエンドウも友からのもの。
きぬさやは明日にまわそう。
今年は豊作だったらしい。
うちのはまだ花が咲いている。
有り余るジャガイモと、これも先日もらった新玉ねぎで和風ポテトサラダを。
買ってきた春キャベツとトマト、ベーコンをスープ仕立てにしょう。
パクチーも大きくなったし、使える。
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できた、出来た、うちの春さんは、早いのが取り柄。
部屋の中、26度ある、汗をかいた。
ビールといきたいところだが、初物のそらまめだ、冷酒に決めた。
まだ日が高いが、初物を食べるときは明るいうちがいいという。
今作った決まりごとだ。
お先にいただきまーす。
春だなあ。
あれ、そら豆の季語は初夏のはずだ。
島は何でも一番のり。
読んでくださってありがとうございます。