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首輪。

うちの犬は、お散歩があまり好きでない。
けれど、行きたいらしい。
意気揚々と出発しても、すぐに帰る!とアピールする。
やだ!と座り込む。

とっても可愛いし、とても勝手なひと。


行きたいときに、お散歩に誘うと
すごく喜ぶ。
しっぽ ふりふり。
立ち上がってぴょんぴょん。


首輪とリードを見せると、
行きたくないときは、少し嫌そうに逃げる。
なのに、行きたい時は、
まるでパブロフの犬のように、
嬉しくて身震いし、何とも言えない鳴き声で喜ぶ。
ワンワン、ではなく、嬉しさや喜び
首輪をつけられると、お散歩に行ける!
楽しみ!という感情が溢れ、それが漏れだしたような声。


あぁ、こんな風に首輪をつけられたい。


ふと思ってしまった。
実際、首輪をつけられたい欲も、
その趣味趣向もない。

でも、心のなかに、首輪をつけられたい。

確かな悦びが存在し、
首輪をつけられたら、そこに向かえる。
その刷り込み。

待ち望んだ瞬間。
枯渇して望んだ先にある潤い。

身震いするほどの快と悦楽。


首輪がスイッチとなって
心が現実から翔んでいく


できるなら、
とっても可愛いくて、とても心地のよい首輪を。


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