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まだ名の無いもの

繁盛している焼き鳥屋のカウンターで、ひとり
遅めのお昼ごはんを食べた。


行きたいなと思っていたお店にようやく辿り着いたら、想像よりも心が躍らなかった。
なんだ、こんなものか。


お出かけ着を着て、マスクの下でもリップを塗って。お気に入りのピアスにバッグ。


すぐ帰宅するのはもったいないし、甘いものが食べたくなったからカフェに向かう。
アイスコーヒーとケーキ。
美味しかった。
色んな人がいた。
だいたいペコペコしてる人は皆さん中腰で、気を遣いすぎている感じ。
面白いなーと眺めたりした。


最近改めて自分を考えた
本気にならないように
本気になってはだめな人ばかりに惹かれる


今だって世間的にはタブーな人と会おうとしているし

本気になってもなんら問題のない相手とは
楽しめない

という思い込みなのか


ただ、振り返ってみたら
こんなにも人を想うことが
大切な気持ちのギフトをやりとりできていた、
という事実が自分の中にあるとは思わなかった。


良いところだけを
都合の良い時に
補完し合えば一番楽だと思っている

本当は、醜いことも言えないことも全部見せたいし聞いて欲しい
その上でまるっと包まれたい


そんなこと考えながらコーヒーを飲んだ。


タブーな、あの人と手を繋いだら何とも思わなかった。

離れて1人になってすぐ、消毒するか、って手を拭いた。

帰って手を洗う時、なぜか一度ではおさまらなくて二度も入念に洗った。

それが体からの答えだなって思った。


今日もハグしようとしている




遠くに叶わない大好きな人が居るのに。





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