森信雄の風景 金太郎と将棋
我が家のヨウムの金太郎は「金」ウサギの歩~ちゃんは「歩」そしてホオミドリアカオウロコインコ、パイナップルの飛~ちゃんは「飛」である。すべて将棋の駒にちなんで名付けている。
金太郎はヨウムだが、オウムですか?と間違えられることも多い。オウムは物まねでしゃべる。ヨウムは対話でしゃべる。例えば「オハヨー」と言うとオウムは「オハヨー」だがヨウムは「コンバンハ」などとへそ曲がりな返事をするのである。賢い鳥として近年は高価になり手に入れにくくなったようだ。
金太郎はプライドが高くて、例えば私と一緒にいると甘えてくるのだが、ひとたび妻が部屋に入ると、素知らぬ顔で紳士顔になるのだ。ケージに入るときピーナツを与えるのだが、私だけだとガリガリかじるのだが、妻がいると知らん顔してそっぽを向いて、ゆっくり上品にかじり始める。
以前は木製の駒を使って詰将棋を作っていたが、金太郎にかじられてしまうのでプラスティック製の駒に変えた。なんでもかじるのが好きなので、電話の受話器、掃除機、コップ、電気のコードなど壊されてしまった。あるときは私のバッグから財布を開けて一万円札を引き裂かれたこともある。
朝起きてケージから出ると、すぐに私に甘えてきて、頭をなでろの命令が来る。これが長くてよそ見でもしようものなら、甘噛みを超えて噛んでくる。でも金太郎でどれだけ癒されたことだろう…手に乗ってじっとしているとき私の精神状態が分かるようだ。気分がふさいでいるときは金太郎の存在がとっても大きいと感じる。金太郎は縁深い家族なのである。