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サウスポーと子供時代

私は右利きだが、実は4歳頃までは左利きだったらしい。
しかし、親に矯正され右利きになった。
今はそんなことあまりないと思うけれど、昔は私のように左から右利きに矯正されることは結構あったようなのだ。
どうしてそんなことしたのか?と母親に聞いてみたことがあった。
どうも私は、ひらがなを書き始めた頃に、 "鏡文字" と言って鏡で写したように左右反対に文字を書いていたそうだ。それを見た親は、これはマズい…左利きのせいだ、と思ったらしい。
こんな感じ。

今は左右反対に書く方が、めっちゃ難しい…。よくこんな字書いてたなと思う。
そこから私は一時期、家では左手を包帯でグルグル巻きにされ右手しか使えないようにされていたらしい。左手が使えなくて、癇癪を起こしたり泣き叫んだりしていたことは、薄っすら覚えている。
なんてことしてくれたんだ!それって一種の虐待じゃないのか!と、この話を聞いた時は激昂した。
親からしてみれば、ハサミなど世の中の道具は右利き用に作られているから不便だし、今のうちに矯正しようと思ったらしい。私が子供の頃は、左利き用のものなど全く売られていなかった。
確かにギターなども左利き用じゃないと弾き辛いと聞いたりするし、調理道具なども右用じゃ使い辛いだろうし、左利きの友人の中には、箸を持つ時は右だけど字を書く時は左という人もいる。義父も左利きだけど、ハサミは右手で使っていた。

左利きの矯正についてちょっと調べてみたら、幼い頃に矯正されると脳に混乱をきたし、左右を言い間違えてしまう"左右失認"というのが起こることもあるそうだ。
これ…実は私も小学校高学年くらいまですぐに左右の判断が出来ないことがけっこうあった。右手と言われても咄嗟に左手を出してしまったり、靴なども左右逆に履いてしまうことは結構大人になってからもあった。
やっぱり無理に矯正すると影響が出ないわけじゃないのだ。
しかし、一般的に子どもの脳はまず右脳から成長するらしく、左利きは右利きよりも "言語処理を得意とする左脳を刺激する頻度が少なく、言語能力を身につける時期が遅くなる傾向" があるそうだ。
私は小学校に上がったくらいから物凄くお喋りになったそうで、起きている間中、喋りまくっていたらしい。もし右利きに矯正されていなかったら、そうはなっていなかったかもしれない。

そういえば以前、職場の同僚で両利きという人がいて、両手で同時に自分の名前を書いて見せてくれた時は、すごい!と感動した。
彼女はほんとに、お箸もペンも何もかも全部両手で使えた。
こういう人もいるのだなぁ。
たぶん彼女の脳は、かなりバランスよく発達してるんじゃないかと思われる。

ところで、私はもう覚えていないけど、左利きの人というのは、親が右で教えても自然に左手を使ってしまうものなのだろうか?

試しに何十年ぶりかで左手で絵を描いてみることにする。
たぶん私の左手は4歳くらいで止まっていると思うので、お題は女児の定番である "お姫さま" にしてみた。

左手で何十年ぶりかで描いてみた

・・・・・我ながら驚く。
てんでなってない。
左手ではコントロールが効かずヘロヘロの線しか描けない。
なんとなく、しりあがり寿みたいな画風だ(笑)
この実験で、もう今は左手を使うと全く思い通りにゆかないということが、よく分かった。自分の手であって自分の手じゃないみたいな感覚だ。
今さら左利きに戻すというのは、かなり難しいようだ。

それに思い返してみると、私は当時もお姫様など描いたことはなかった(苦笑)
母が取って置いてくれた2歳くらいからのお絵かき帳を見ても、太陽とか花とか家、あるいは幾何学模様のようなものばかりで、人間はほとんど描いていない…。
今でもよく覚えているのは、5歳くらいの頃にワナワナと震えたような線で描くと面白い!という画期的な "発見" をして、しばらくワナワナ線であらゆるものを描いていたので、無理に右利きに矯正したせいで変になってしまったんじゃないかと心配された。
そして私は子供の頃から紫色が大好きで、一口に紫といってもメーカーによって微妙に色合いが違っていたので、クレヨンや色鉛筆もいろいろな紫色だけを集めていた。これも心を病んでいるんじゃないかと母は危惧していたらしい…。

ワナワナ線で今描いてみると
妙な味わいがある…


お絵かきは好きだったけど、人形遊びやおままごとには興味がなく、男の子たちとウルトラマンごっこをしてブロック塀によじ登りトォーッと叫びながら飛び降りたり、幼馴染みのナオキ君とケンカになりライダーキックをお見舞いして泣かせたり、幼稚園の工作の時間にひとりだけ抜け出しトランポリンで遊んでいた時、高く飛んで着地する際に位置がズレて金属の枠部分で足を強打し、トランポリンの外に落っこちて足首を骨折したのもこの頃だった。全治するまで2、3ヶ月くらいかかり、その後すっかり登園拒否になってしまった。
幼稚園くらいまでは割と活発な子というか、駄々っ子だった。よくいる、おもちゃ売り場などで床にひっくり返って、自分の要求が通るまで聞きわけなく泣き叫んでいるような子供だった…らしい。

小学生になると一転して大人しくなり、家ではお喋りだったが、外に出ると内気で人見知りになった。家で絵を描いたり、本を読んだり、レコードを聴いてる方が好きな子になった。
小4の頃、仲良しだったトモミちゃんとアンザイ君と私の間で、なぜかヤマトタケルとスサノオノミコトが流行り、その髪型や服装、勾玉まがたまが好きでせっせと描いていた。
小学生の頃の将来なりたい職業は考古学者で、土器の破片が出てくるんじゃないかと庭を掘り返し発掘調査したり、愛読雑誌は「ムー」と「りぼん」だった(笑)
アトランティス大陸などの幻の超古代文明にも惹かれていた。

幼稚園の頃習っていた歌いながら弾けるオルガン教室は好きだったけれど、小学生になってから通ったピアノは、先生が怖くてレッスンに行くのが苦痛だった。

私はあのまま左利きだったら、今頃どんな人間になっていたのだろうか。
今とはまた違った性格になっていたのだろうか。


こんなテストも見つけた。
【診断】あなたは右脳派?左脳派?感覚で答える利き脳テスト

私は以下の結果になった。

あなたは「右脳派」
感覚的に物事を捉えるあなた。クリエイティブで好奇心旺盛なので、アートやパフォーマンス、音楽といったものに惹かれるのでしょう。また、自発的で、頭で考えるより自分の直感に従う傾向があります。そのエネルギーと独立心をこれからも大切にしてください!

【診断】あなたは右脳派?左脳派?感覚で答える利き脳テスト

利き手は右になっても、利き脳は「右脳」のようだ。
たしかに、私は論理的に考えるよりも先に、感覚的に捉える方が自分にとっては理解しやすい傾向がある。
迷ったり、分からなくなったら、直感に従う方だ。

あなたは、どちら?



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