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CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN〜エスニック・サウンドの進化形

発見した時は久々に大興奮したバンド、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINチョコパコチョコキンキン。ちょっと長くて読みづらいかなぁというバンド名の由来は、キューバ民謡のリズムから命名したそうだ。
ちなみに、こちらは日本人によるバンドで、なかなか面白いバッググラウンドがあるのですが、詳細は下に記しています。

花様年華

アルバムの中でもキャッチーな「花様年華」は、鬼リピしている。
ウォン・カーウァイ監督の同名映画をモチーフにしたという楽曲は、オリエンタルなエレクトロニカ・サウンドとクールにループするビート、気怠げな歌も相まって、独特の浮遊感を醸し出している。
路上での楽曲制作の様子が、TikTokでバズったらしい。

ガンダーラ

エスニック感溢れる「ガンダーラ」は、箱型でペルー発祥のカホンや壺のようなウドゥという西アジアの打楽器も目を惹く。ボッサ調のギター、妙に中毒性のあるお経のような?歌声と歌詞の組合せも印象的、思わず唸ってしまう、ひと癖あるサウンドで、このグループの可能性を感じさせる1曲だ。

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINチョコパコチョコキンキン略してCHO CO PAチョコパは、小学校からの幼馴染という三人+楽曲ごとにサポートメンバーあり。しかしバンドと言っていいのか迷うほど既存の編成とは異なっている。
Daidoくん(作曲と映像)は、南米音楽に惹かれキューバの大学に留学していた経験あり。
Soくん(サウンドエンジニアとDJ)は、美大生で以前はメタル系のバンドに在籍。
そしてベースのYuta(細野悠太)くんは、なんと細野晴臣さんのお孫さんなのだ!細野さん譲りの天性のものなのか、ベースのグルーヴ感が素晴らしい!
大学の中南米研究会に入りつつも、お母さん(細野さんの娘さん)が好きだった2000年代頃のテクノ/ハウスを聴いて育ったという背景もあり(感涙)これだけでも細野さんを敬愛する自分からしたら、もう、ほほぅ〜!と思わず声が漏れるほど嬉しくなる。
しかしCHO CO PAは上記のように三人組なわけで、そこだけ注目されるのは悠太くん的には本意ではないかもしれないけど、昨年夏にリリースされたファーストアルバム「tradition」は、あらゆるワールドミュージックを内包した音楽性とエレクトロニカなアレンジ、強力なリズム隊、はっぴいえんどを想わせる歌詞の世界などなど、聴けば聴くほどその高い音楽性に、細野さんのDNA恐るべし!細野チルドレン(お孫さんだけど)という感想を抱いてしまう。
試しにCHO CO PAのアルバムを聴いたあと、自動選曲で現れた細野さんの1989年のアルバム「Omni Sight Seeing」を続けて聴いても全く違和感がない。
まさに30余年の時を経て進化した、エスニック・サウンドという感すらある。
それくらい、唯一無二のオリジナリティがある。

空とぶ東京

エレクトロニカ・ポップなビートが心地良い「空とぶ東京
歌詞は、現代版 はっぴいえんど「風街ろまん」か。
なんだかレイハラカミさんをも彷彿とさせた。自分の世代的にはどこか懐かしさも感じる。

秩父

インスト曲「秩父」は、お囃子の太鼓とエスニックの融合。パーカッションの土着的なリズムに体が揺れてくる。ベースのグルーヴ感もいい。


ワタツミ


琉球ブギウギ


ワタツミ」は、エレクトロニカなエスニック・サウンドに身を委ね揺蕩うような心地良さ。「琉球ブギウギ」は沖縄のチャンプルーサウンドとブギの融合、この2曲なんてまんま細野さんの「トロピカルダンディ」「泰安洋行」「はらいそ」三部作の系譜だよね!と思ってしまう。




悠太くんは、福原音さんとのインストバンドChappoシャッポとしてもデビュー。
祖父である細野さんのラジオ番組「Daisy Holiday!」にも出演して、まだ悠太くんが小さかった頃に、細野さんとユキヒロさんのユニット スケッチ・ショウのライブで曲の合間に "ぼくのおじいちゃん!"と叫んで、客席がドッと沸いた話なども披露し細野さんも嬉しそう。
悠太くんに、ベース上手くなったね、ベースを譲ろうと思ったけど難しい(悠太くんは左利き)歌もやってみたら?とアドバイスしたり、そのうち関わるかもな、とも言っていたので、細野さんと悠太くんの共作も近いうちに聴けるかもしれない。
細野さんのおじいちゃんとしての顔も垣間見られて、微笑ましくニマニマしてしまった。

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINチョコパコチョコキンキンの音楽を聴きながら、偉大な才能が長きに渡り次の世代へとバトンを渡してゆく、その瞬間に立ち会うことができる喜びを、しみじみと噛み締めている。


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森野 しゑに
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