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第38話「最後の言葉 『立花隆 最後の旅』」
最後にありがとうと言いたい。
要は、命は1人のものでなく、
一つの孤立したものでなく、
連環して存在しているということなのだ。
50年後の未来は今あるんです。
今に萌芽しているのです。
その通り行くかわからないけど、
進んでいくしかないんです。
夢を見る力、
単にそうなって欲しいではなくて、
それを実現しようとする努力する力。
日本の知の巨人である立場隆が
亡くなるまでの17年を追った特集番組を観た。
彼は、科学的には死後の世界は存在せず、
単なるゴミと一緒であると言う結論に達する。
しかし、人の命というのは、
竹林の様なもので目の前の生命の下には、
地中の中の竹の根の様に繋がっていて、
人は集団として生かされているという
冒頭のありがとうと言う言葉に繋がっていくのである。
そして、立場隆は、
死んだら死体はゴミとして捨ててくれ、
膨大な蔵書は古本屋に売ってくれと託す。
一人のジャーナリストが、
時の絶対権力者である総理大臣を引き摺りおろし、
時代の本質を見つめて炙り出し、
最後までエネルギーをもって駆け抜けた彼だからこそ、
行きついて言える言葉で清々しさを感じるのだ。
僕は、立花隆から、世界の表層に漂う言葉ではなく、
常にその本質とは何かを問い続けることを
学んだ気がしている。
そういう意味で、
竹の根として繋がって繋げていく
一人であるのかも知れない。
stay hungry, stay foolish
スタンフォード大学の卒業式での
スティーブ・ジョブズの演説で有名になったが、
これはバックミンスター・フラーの言葉であり、
スティーブ・ジョブズ自身が何より影響を受けた
「ホール・アース・カタログ」という
雑誌の巻末に書いてあったフラーの言葉である。
この言葉に、挑戦し戦っている人は、
どれほど勇気づけられだろうか?
フラーは、建築家であり発明家であり、
世界を変えようとした男である。
多くの人に馬鹿にされ、相手にされず、
それでも未来を見つめ夢を描き
理想に突き進んだ結果、
何かを変えることができた。
宇宙船地球号、これも彼の言葉である。
我々、人類は地球号という宇宙船に住んでいて、
汚染され浪費され危機に瀕していることを
リアルに表している。
それに反して、
ブームに乗ってSDGSを声高に叫ぶ企業の
なんと空疎なことか。
どんなに馬鹿にされても、
世間に無視されても、
世界を変える、
本気で歴史を地球を変える気概は、
感じられない。
僕は、この2人から、
スティーブ・ジョブズを含めると3人から、
本質を見る目を感じることができるのだ。
自分なりの視点。
還暦を迎えて、
自分の視点を徹底的に突き詰めて、
石の様に小さく硬く
意思の塊になって死にたいと思った。
日々、庭の草木の手入れをしながら、
ペンキを塗りながら、走りながら、考える。
考え続ける。
すると見えてくるもの、
思いつくものがある。
近頃は、書物より自然から学ぶことが多くなった。
草木や川や海や森と対話する。
まだまだ学ぶことは、無限にあり、
そして考えることも智恵も無限にあるのである。
ハングリーとは、言えなくても、
知に対する欲望は枯れることなく、
世間を気にしない言動は阿呆のままなのだろう。
森の黒ひげ塾
塾長 早川 典重