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千葉雅也さんのしもつけ随想②ステーキのイデア

2020年8月26日付の栃木の地方誌、下野新聞「しもつけ随想」に千葉雅也さんの連載2回目が掲載された。またも地元の妹に記事を送ってもらい、読む。タイムラグがあるのはそのせいです…

今回は「ステーキ宮」の思い出について書かれていて、タイトルは「ステーキのイデア」。

「ステーキ宮」といえばいまや割と全国区でメジャーなのだろうか。宇都宮が生んだステーキレストランである。羽田空港にもお店がある。

子どもの頃、「ステーキ宮」に連れてってもらう日。ステーキのごちそう感、そしてあのスープ、サラダ、平たいお皿に乗ったライスの「コース」感にワクワクしていた。私もそうだが、今の40代くらいの栃木県出身者が初めて食べたステーキおよび初めて触れたコース料理的なものが「ステーキ宮」という確率はとても高いのではないだろうか。それは割とすごい影響力かもしれない。

千葉さんが指摘されるように、「ステーキ宮」で特徴的なのは、同店のステーキソース「宮のたれ」である。栃木県民は「たれ」だけスーパーで買って家で肉を焼いて食べたりもする。千葉さんが言われるようにもやし炒めにかけてもおいしい。最近は首都圏のスーパーでも「たれ」を手に入れられる。栃木出身者としてうれしい(通販でも買えます)。

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その「宮のたれ」の味について、強い酸味が故郷を思わせる、胸を締め付ける味だと氏は言う。餃子よりも濃厚な思い出であると。私も大人になってから「宮のたれ」の酸味が独特なのを認識した。当時は他を知らないがゆえに比べようもなかった。子どもの頃に漫画で似たようなソースをみたことがあった。確か「美味しんぼ」だったかもしれない。「それ、ステーキ宮じゃん!」と小生意気だった子どもの私は思った記憶がある。付け合わせが小梅で…(美味しんぼじゃなかったらすいません)注※訂正です…美味しんぼではなく、ミスター味っ子でした!

その後、中学生くらいになって、両親の結婚記念日に日光の有名洋食店のひとつである「明治の館」に家族で行き、ステーキを食べた気がするがあんまり覚えていないのはなぜか。それは雰囲気に圧倒されてしまったからかもしれない。

私にとって「ステーキ宮」の思い出はやはり千葉さんがイデアと呼ぶ「たれ」の味、コーンクリームスープのおいしさ、看板のロゴが人面風でちょっと怖かったことなどである(怖くないですか?↓)

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たいへん余談になるが「ステーキ宮」が経営難で一時破綻したころ、私は宇都宮に戻り仕事をしていた。飲食店をまわることも多く、担当のレストランの中には元「ステーキ宮」の社員さんのお店もあった。当時「ステーキ宮」のOBがはじめるお店は繁盛店が多かったように思う。

私が担当したあるお店も人気店で、打ち合わせなどにお邪魔するととても忙しい時間だったと思うのに、邪険にせずかえっておもしろがってくれた(ように思う)。

ある時試食会があり、お店の戦略担当Sさんに宇都宮の銘酒「四季桜」まで飲まされ(飲んでしまい)ふらふらしながら帰った思い出もある。「ステーキ宮」時代の話ももっと聞いておけばよかった。

お店は今はすでになく、お世話になった方々はどうしてるんだろうか。どうかお元気でいてほしい。

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