1番になりたい!
先日、息子にポツリと、
「おかあちゃんは、何かで1番になったことある?」と聞かれた。
息子は、「サッカーや勉強で1番になったことがない」と言う。
わたしは小学生の頃、勉強ができた。
勉強することも好きで、中学校の定期テストでは、だいたい学年1桁台の順位だった。
しかし、地元でいちばんの進学校だった高校に入学した途端、もっと頭のよい猛者がたくさんいて、あれよあれよと赤点の常連になってしまった。
ならば!と、得意な絵に夢中になり、美術系の大学に進学。
すると今度は、絵が上手い猛者とたくさん出会うことになった。
たとえどこかで1番になれたとしても、それは実は「井の中の蛙」だったりするんだな、ということを、少しずつ広がる自分をとりまく世界の中で感じてきた。
世界は広いし、1番はすぐに更新されていく。
1番になるのって、難しいのだ。
少し悩んだ末、息子には、
「わたしにとって、君の存在自体が1番大切だよ」と伝えた。
そもそも1番になる必要あるのかな。
わたしが1番大好きなのだから、それでいいんじゃないかな。
と、その時は思ったりしていた。
しかし今!目の前で懸命に走っている箱根駅伝の選手たちにとても胸を打たれているわたしがいる。
仲間や自分のために、一心不乱に走っている。きっとみんな、勝ちたい、1番になりたいと強く願っているに違いなく。その姿は、見ている者の心を打つ。
1番になることは難しいし、1番にならなくても、ひとりひとり大切な存在なのは間違いないのだけど。
人が1番を目指す姿は、とても美しいのだな。
思い起こせば、必死で勉強した受験生の頃。
PHSや彼氏にうわついている友人らと、絶対同じ結果にはなりたくない!
と、静かにメラメラ闘志を燃やしていたわたしがいた。「今に見てろ!」と強く思っていた。
その時のまっすぐさ、夢中になった経験は、今でも宝物だし、結果的に人生をよい向きにかえることになったなと思う。
もうひとつ思い出したことがある。
M-1グランプリで、バッテリィズのエースが、「たのしい!」と何度も言っていた姿である。
あんな風に闘えたら、本当にもっと幸せなんだろうなとも思う。
誰かをギャフンと言わせたり、見返すための1番じゃなくて、たのしくてたのしくて夢中なうちに1番になっちゃう感じ。
もし、息子が1番になりたいと、夢中になることがあったら。迷わず心から応援したい。
そして、現在のわたしにも、ひょっとしたら「今に見てろ!」な闘志の火種がくすぶっているかもしれない。
1番になりたいのなら、今度はぜひ、自分のために。
やらない後悔より、やって大成功
(by 令和ロマン)
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