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COVID-19の医学情報をどう扱い行動するか(2)あなたはいま、何を待つ?


 この未曽有の状況で、従来の判断基準にかなう信頼度の高い情報は存在するのかというと非常に心もとない。では私たちはどのような情報を頼りに行動したらよいのか。現時点で出来ることを考えてみましょう。

「エビデンス、ありません」という状況!

 前の記事で「メタ解析が最上のエビデンス」と書きました。では、新型コロナの予防や治療に関して、そのような研究成果はあるのでしょうか?  

 残念ながら、そのような「信頼性が高いと一般的に考えられている成果」はどこにも存在しません。新型コロナの治療に関する、信頼度が高いとみなされているランダム化比較試験(RCT)は世界各地で開始されています。しかし、その結果が出てくるのは早くとも9月以降になると思われます。ましてやメタ解析となれば早くとも3~5年、場合によっては10年後になるかも知れないのです。

では、何をもとに行動するのか

 幸いなことに、新型コロナに対する治療法の報告は多数なされています。これらはエビデンスレベルとしては「メタ解析」には及びません。ですが、全世界で感染者が爆発的に増えている状況を考えると、少しでも信頼度の高い情報が欲しいところです。

 「10年後の成果」は、次の危機に対する備え、教訓としては貴重でしょう。ですがいま、私たちがとるべき行動の指針とはなり得ません。であれば、少しでも信頼性に足る報告をもとに行動するしかないことになります。現在発表されている症例報告を吟味していくしかないのです。

私たちが健康でいるために

 幸いなことに、既存の抗ウイルス薬や栄養素についての治療効果の報告が多数なされています。ですが、それらはおもに重症化した症例に対する治療法の選択肢に関するものです。感染が蔓延している現在、重症例をいかに救うかに医療リソースが注がれていますがら、「なぜ感染しないか、なぜ軽症で済んでいるか」という点を追求するのが難しいというのも無理もないことだと思います。

「どうすれば救命できるか」の検証は当然重要ですが、いま現在「感染のリスクを少しでも下げたい、もし感染しても軽症で済ませたい」ための情報も非常に価値の高いものです。それを知りたいとお考えの皆様に、次からの記事で有益な情報を共有したいと思います。

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