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建設業の29業種と必要な資格を解説~ Vol1~

こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。

前回までは建設業許可を取得する為の6つの要件について説明いたしました。

今回は建設業許可の29業種について3回に分けて説明していきたいと思います。

建設業許可は業種ごとに許可を受けます。
例えば、「知事許可、とび・土工工事業(一般)」という感じです。


「知事許可・大臣許可」と「一般建設業・特定建設業」の違いについては下記をご覧下さい。



ちなみに1つの業種に対して一般と特定の両方を取得することはできず、どちらかを選択することになります。

では29業種について詳しくみていきたいと思います。

2種類の一式工事(*1)と27種類の専門工事(*2)に分類されています。

一式工事(*1)
原則元請の立場総合的な企画、指導、調整の下に建設する工事であり、複数の下請け業者によって施行される大規模かつ複雑な工事のことです。

専門工事(*2)
単独で実施する工事で、下請け業者が実施することが多いです。


一式工事は、工事の規模が大きく単独の専門工事だけでは施工できない為、複数の専門工事で構成されています。その為、元請けの立場として複数の下請け業者をマネジメントする能力も必要です。

一式工事には土木一式工事建築一式工事があります。

なお、土木一式工事、建築一式工事の許可があっても、専門工事の許可がない場合は、軽微ではない専門工事を単独で請け負うことはできません。
500万円以上の専門工事を単独で請け負う場合には、該当の専門工事の許可が必要です。

一式工事

◆1−1.土木一式工事業◆


上記の一式工事の形態で、土木工作物を建設する工事です。

例えば、
橋梁、ダム、空港、トンネル、高速道路、鉄道軌道、区画整理、道路・団地等造成(個人住宅の造成は含まない)、農業・かんがい水道工事を一式として請け負うものです。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・一級建設機械施工技士
・一級土木施工管理技士
・技術士:建設部門、総合技術監理部門「建設」
・技術士:農業部門「農業農村工学」、総合技術監理部門「農業(農業農村工学)」
・技術士:水産部門「水産土木」、総合技術監理部門「水産(水産土木)」
・技術士:森林部門「森林土木」、総合技術監理部門「森林(森林土木)」

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級建設機械施工技士(第一種〜第六種)
・二級土木施工管理技士 種別:土木

◆1−2.建築一式工事業◆


上記の一式工事の形態で、建築物を建設する工事です。

例えば、
建築確認(*3)を必要とする新築及び増改築です。

建築確認(*3)
建築主が建物を建築する前に、その建物が法令に適合しているかどうか行政の確認を受けることです。
建築確認が必要な建物は、建物の種類や規模等により定められています。


専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉
・一級建築施工管理技士
・一級建築士

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級建築施工管理技士 種別:建築
・二級建築士

続いて27種類の専門工事になります。

専門工事


◆2−1.大工工事業◆


木材の加工若しくは 取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取り付ける工事です。
  
例えば、
大工工事、型枠工事、造作工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・一級建築施工管理技士
・一級建築士

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級建築施工管理技士 種別:躯体、仕上げ
・二級建築士
・木造建築士
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):建築大工、型枠施工

◆2−2.左官工事業◆


工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹き付け、又は貼り付ける工事です。

例えば、
左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、
吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・一級建築施工管理技士

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級建築施工管理技士 種別:仕上げ
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):左官

◆2−3.とび・土工工事業◆

とび・土木工事には以下1〜5の工事が該当します。

1.足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等 の組立て等を行う工事

例えば、
とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事です。

2.くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事

例えば、
くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事です。

3.土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事

例えば、
土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事です。

4.コンクリートにより工作物を築造する工事

例えば、
コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事です。

5.その他基礎的又は準備的工事

例えば、
地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、 法面保護工事、 道路付属物設置工事、 屋外広告物設置工事 (『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」以外のもの) 、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事 、潜水工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉
・一級建設機械施工技士
・一級土木施工管理技士
・一級建築施工管理技士
・技術士:建設部門、総合技術監理部門「建設」
・技術士:農業部門「農業農村工学」、総合技術監理部門「農業(農業農村工学)」
・技術士:水産部門「水産土木」、総合技術監理部門「水産(水産土木)」
・技術士:森林部門「森林土木」、総合技術監理部門「森林「森林土木」」

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級建設機械施工技士(第一種〜第六種)
・二級土木施工管理技士 種別:土木、薬液注入
・二級建築施工管理技士 種別:躯体
・地すべり防止工事(登録後工事に関し実務経験1年以上が必要)
・登録基礎ぐい工事
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):ウェルポイント施工、型枠施工、とび・とび工、コンクリート圧送施工

◆2−4.石工事業◆


石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取り付ける工事です。

例えば、
石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉
・一級土木施工管理技士
・一級建築施工管理技士

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級土木施工管理技士 種別:土木
・二級建築施工管理技士 種別:仕上げ
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工、石工・石材施工・石積み

◆2−5.屋根工事業◆


瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく(葺く)工事です。

屋根を葺くとは?
板・茅 (かや) ・瓦 (かわら) などで屋根をおおうことです。


例えば、
屋根ふき工事、屋根一体型の太陽光パネル設置工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉
・一級建築施工管理技士
・一級建築士

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級建築施工管理技士 種別:仕上げ
・二級建築士
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):建築板金(選択科目:ダクト板金作業、内外装板金作業)、板金(選択科目:建築板金作業)、板金工(選択科目:建築板金作業)、かわらぶき・ストレート施工

◆2−6.電気工事業◆


発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事です。

例えば、
発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備(非常用電気設備を含む 。 )工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事(避雷針工事) 、太陽光発電設備の設置工事(『屋根工事』以外のもの)です。

専任技術者となる為の資格は?

※電気工事は他の業種と違い、無資格者の実務経験は認められません。必ず下記の資格で証明することになります。


〈特定建設業〉
・一級電気工事施工管理技士
・技術士:建設部門、総合技術監理部門「建設」
・技術士:電気電子部門、総合技術監理部門「電気電子」

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級電気工事施工管理技士
・第一種電気工事士
・第二種電気工事士(免許交付後実務経験3年以上必要)
・電気主任技術者:一種、二種、三種(免許交付後実務経験5年以上必要)
・建築設備士(資格取得後工事に関し実務経験1年以上必要)
・一級計装士(合格後工事に関し実務経験1年以上)

◆2−7.管工事業◆

冷暖房、冷凍冷蔵、 空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事です。

例えば、
冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事、(配水小管)です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・一級管工事施工管理技士
・技術士:機械部門「流体機器」又は「熱・動力エネルギー機器」、総合技術監理部門「機械(流体機器)又は(熱・動力エネルギー機器)」
・技術士:上下水道部門、総合技術監理部門「上下水道」
・技術士:衛生工学部門、総合技術監理部門「衛生工学」

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級管工事施工管理技士
・建築設備士(資格取得後工事に関し実務経験1年以上必要)
・一級計装士(合格後工事に関し実務経験1年以上必要)
・給水装置工事主任技術者(免状交付後実務経験1年以上必要)
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):空気調和設備配管・冷凍空気調和機器施工、給排水衛生設備配管、配管(選択科目:建築配管作業)、配管工、建築板金(選択科目:ダクト板金作業)

◆2−8.タイル・れんが・ブロック工事業◆

れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取り付け、又は貼り付ける工事です。

例えば、
コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事 、サイディング工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉
・一級建築施工管理技士
・一級建築士

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級建築施工管理技士 種別:躯体、仕上げ
・二級建築士
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):タイル張り・タイル張り工、築炉・築炉工・れんが積み、ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工


続きはまた次回になります。ご参考になりましたでしょうか。


上記の内容にかかわらず、建設業許可新規、更新、変更、決算変更届等でお困りの方は行政書士MSオフィスまでご連絡ください。

また、他士業様で行政書士をお探しの方がいらっしゃいましたら、是非当オフィスへご連絡いただけると幸いです。親身に対応させていただきます。

行政書士MSオフィス
森本さやか

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