2024年の年初挨拶:振り返りと抱負
新しく年が明けました。新年早々とても悲しいニュースが続いていて、こうした状況で自分にできることがほとんどない現状を悔しく思いつつ、自分は自分のフィールドでしっかりと社会に貢献していこうと改めて気を引き締めています。
昨年に引き続き、今年も旧年の振り返りと新年の抱負をここに記しておきたいと思います。
メンタルケアサービス「コモレビ」について
2022年は、「どのような境遇のひとにも、尊厳をもって生きられる場を。」という会社のミッションに向けて、一定の成果を実現できた1年間だったと考えています。
①サービスの質の改善
特にサービスの質については、1年前に比べ、多くの点で改善を実現できたと思っています。もちろん、その裏にはさまざまな失敗もあり、コモレビをご利用される皆様に助けられたことも少なくありませんでした。
それでも一定の改善を見ることができたのは、素晴らしいスタッフに恵まれ、研修や相互のフィードバック、カンファレンスなどを通じて、支援の届け方の言語化・統一化を進めることができたことが大きな要因です。
当然「対話」が中核となるコモレビのサービスに完璧はありませんし、質の向上についてはまだまだ十分ではありません。ですので来年の今頃に「去年よりも全然よくなったな」と振り返りができることが、ひきつづき2024年の目標になります。仕組みを整え、スタッフの間での共通理解を深め、より良い支援を目指していきたいと思っています。
②新規拠点の開設
12月から試運転をしていた2つ目の拠点を、この1月から本格的に稼働します。場所は練馬になります。より多くの方に支援が届く体制を整えることができた点は、間違いなく2023年の進捗です。
地域に拠点ができることで、病院・クリニックや保健センター、各種の福祉系サービス(就労移行支援事業所など)との連携も強化できます。支援の質の向上にもつながる施策と考えており、2024年の成果が楽しみです。
新規拠点の開設を通じたエリアの拡充は、「どのような境遇のひとにも」サービスを届ける上での基盤となります。これまではエリアの問題でサービスが届けられなかった方にも今後はサービスが届けられるよう、2024年も新規拠点の開設とエリア拡充は継続して取り組んでいきたいと考えています。
③メンタルヘルスに関する発信・アドボカシー
わたしの会社はコモレビのような「『負』の社会構造や境遇に苦しむ方に対する尊厳の回復機会の提供」を目指すサービスを提供すると同時に、「世の中にある不条理や不公正を生み出す『構造』の解消・是正」を目指しています(会社の事業方針として明記しています)。
後者の「世の中にある不条理や不公正を生み出す『構造』の解消・是正」については、現状で形となっているサービスやプロダクトはありませんが、コモレビの活動を通じて、メディアにも少しずつ取り上げていただけるようになり、メンタルヘルスを取り巻く現状や課題について発信・啓発をする機会を得ることができました。これは2023年の一つの成果だったと思っています。
例えば、産経新聞への取材協力などは、本当にささやかではありますが、日本の「精神疾患のセルフ・スティグマ問題」について、自分たちの考え・問題意識を広く知っていただく良い機会となりました。
社会に広く蔓延り、かつ、個人の意識にまで内面化されている精神疾患に対するスティグマを緩和することは、とても重要なイシューだと考えています。
また、10月にはニッポン放送の「ウィークエンド・ケアタイム ひだまりハウス」さんでも、わたしたちのサービス紹介にとどまらず、感じている問題意識やのぞましい支援の在り方まで、さまざまな話をさせていただく機会にめぐまれました。
発信・アドボカシーはあくまで質の高い支援の実践があってこそですが、2024年も可能な範囲で継続して良ければと考えています。
④良いチームづくりとカルチャーづくり
昨年の抱負では、「常にミッションに沿って意思決定をし、ミッションに沿って行動する」「良いチーム・組織を創る」の2つを掲げました。
これらの目標を実現するために、
1) Guiding Principles(行動・判断をする際に指針となる原則)の導入と運用
2) 人事・評価制度の導入
に注力しました。どちらも、「どのような行動や判断が、コモレビとして望ましいものなのか/ミッション実現に近づくものなのか」を定義し、それを浸透させていくための施策です。特に、Guiding Principlesを定めたことで、なにがミッションに沿った意思決定/行動なのかがよりクリアになりました。
文化づくりや組織づくりは日々の一挙手一投足、発言の一つ一つが大切だと思います。始まったばかりの取り組みなので、こちらについては2024年も引き続き取り組んでいきたいと思っています。
敢えて書くなら、フィードバック・カルチャーの浸透には、より力を注いでいきたいと思っています。フィードバックを通じて、上に示したGuiding Principlesの浸透もよりスムーズになると考えています。
(一方、エンゲージメント・サーベイは実施できませんでした。形を変えての実施などを模索しています)
⑤2023年にもう1歩だった点
多くの成果があった一方で、23年の年初に掲げた「経済面での成果を出す」「リーダーシップチームを創る」の2つについては、十分な成果が得られなかったと考えています。
少なくとも、目指していた水準にはまったく足りていません。ミッション/実現したい未来から逆算しても、自分自身は経営者失格レベルの成果しか挙げられなかったと思っています。この部分のテコ入れが、2024年の最大のテーマになると思っています。
この点についていうと、経営者として乗り越えなければいけない課題に、自分自身が直面しているなと感じています。ここでは具体的なことは書きませんが、経営への取り組み方やマインドセットを変えていかなければと思っています。
コモレビ以外での取り組み
2022年には、コモレビを中核としながら、メンタルヘルス領域をドメインに、いくつか新しい取り組みを進めてきました。まだ形になっているものはありませんが、B2C・B2B双方の領域でリサーチ段階のものから試験的なサービス提供を開始しているものまで、可能性が見え始めています。
2024年になにかしらの結果をコミットできるかというと微妙なところですが、いまの中核サービスであるコモレビではどうしても解決できない課題もありますので、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
プライベートについて
昨年はインプットとアウトプット、フットサルのことなどを書きました。
インプットについては読んだ本の数は25冊ほどで目標には届きませんでした。アウトプットはnoteの執筆回数も大学のレポートの提出数も、まったく足りていません。本当に反省です。
フットサルは年間50回(ほぼ週1回)を目標にしていましたが、30回に留まりました。
正直、2024年も仕事に全集中という形になるかと思うので、昨年以上の目標は立てられませんが、自分のワーク・ライフ・バランスおよび短期投資・長期投資のバランスに関わる部分なので、ひきつづきKPIにはしておきたいと思っています。
旧年中は本当に多くの方にお世話になりました。今年も「めざすところ」の交差点で、いろいろな方と協力しながら少しでも良い社会を創っていければと思っていますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
森本真輔
※カバー写真は10月に訪れた石川県の和倉温泉。奥能登芸術祭で訪れた能登半島はすばらしい自然と文化に恵まれた土地でした。それだけに、今回の地震被害はとても悲しく思っています。犠牲となった方のご冥福と、被害にあった地域の一日も早い復興を、祈っています。