宿が部屋を大事にする理由
宿が大事にすべき事は「食」「風呂」「部屋」の3つであるということは、申し上げた通り。
その中で「部屋」を大事にする理由は?
宿の中で一番多く滞在するのは「部屋」。それが魅力あるものでなければ旅の楽しさも半減してしまうのではないか?
例えば、部屋の窓から見えるのは「隣のビルのオフィス」ということでは景色を楽しむという期待には応えられそうにない。しかも、こういう部屋の立地を変えることは物理的に無理がある。では、どうやって部屋に魅力を持たせるのか?
その部屋のベッドが「誰もが世界一寝心地の良いベッドと感じることができるベッド」だったとしよう。そして、他の宿には無いオンリーワンのベッドであれば、景色はイマイチでも部屋を使う目的の一つである「寝る」というものに対しては最高の価値を与えられるのではないか。
競合するその地域で宿を選ぶ際に、このベッドを体験してみたいということが選ぶ決め手になるかもしれない。また、このベッドを利用してみたいという人が、その目的だけでその宿を訪れるということになれば一点突破に成功したと言ってもいいだろう。
「部屋」の弱みを十分克服するだけの強みをぜひ考えてみてほしい。そしてその思いを届けてほしい。