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『プロセスエコノミー』「制作過程」からファンを生み出す!新しい経済圏

本日は尾原和啓さんの『プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる』をご紹介します。

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とても読みやすい構成なので、読書が苦手な方にもおすすめです。

独自のサービスを扱っている人や、SNSを運用している人なども、読んでおくと役に立つ考え方が満載です。

「良いモノ」でも売れない時代

私たちは、今、望めば何でも手に入る時代になりました。

ひと昔前、人々は、憧れの”モノ”を手に入れるために一生懸命働き、お金を貯めて購入し、所有することが、一種のステイタスでした。

しかし、現代は、”モノ”はどんどん高性能になり、格段と手に入れやすい価格となり、所有のハードルはグッと下がりました。

誰でも持てるようになったからこそ、所有することはステイタスにはならないのです。

今までは、お金がかかっていたサービスも、サブスクの登場で比較的に安い価格設定で使えるようになりました。

例えば私が動画のサブスクで使っている、Amazon Primeと、TUTAYA TVの動画見放題サービス。

インターネットの登場とスマホの普及で、昔のようにDVDを借りに行くための時間も、その都度のレンタル代もかからなくなりました。

そんな時代になった現在、「良いモノ」であることは当たり前で、特別な人でなくても、手に入れやすくなりました。

消費行動の新たな動機とは何か?

つまり、そこに商機があるという訳ですね。

現代の私たちは、何にお金を払いたいと考えるのでしょうか?

「どうせなら、意味や意義のあることに使いたい。」

そんな風に考える人も増えてきました。

私たちが求めるのは、特別な「ストーリー性」や「体験」なのではないでしょうか。

それこそが、「プロセスエコノミー」がもたらす、新たな経済圏なのです。

「プロセスエコノミー」とは何なのか?


「プロセスエコノミー」はもともと「けんすう」さんこと、古川健介さんが提唱した概念だそうです。

何かを作る過程(プロセス)こそが、人々の共感や熱狂を得るのに重要になってきていると指摘しています。

ファンができれば、そこに経済圏が生まれるため、大々的な宣伝を打たなくてもモノが売れる仕組みが作れるのです。

例えば、自分が応援しているインフルエンサーが、洋服を作ることになったとします。(ここからは私が考えた事例となります。)

制作過程は、随時、SNSで伝えられていきます。

ときには、インフルエンサーからデザインの相談がフォロワーに向けて発信されたりもします。

「A案のデザイン、B案のデザインのどちらがいいですか?」

フォロワーが一斉に答えます。
そのとき、フォロワーもインフルエンサーのモノ作りに加わっているような気持ちになり、洋服制作が、まるで自分ごとのような気持ちになっています。

さらに制作過程が気になり出して、気づいたら応援している自分がいます。

インフルエンサーとフォロワーとの、双方向のコミュニケーションから、試行錯誤しながら時間をかけて作られていく洋服。

「洋服づくりって、こんな風に行われるんだ!」
「私たちの声が反映された洋服だから、欲しい!」
「なんて、センスが良くて可愛いんだろう!」

フォロワー側の、それぞれのファン心理が刺激されていきます。

ある日、SNSを開くと、インフルエンサーから告知がありました。

「みなさんの投票の結果、A案の洋服の発売日が決定しました!
〇月〇日、〇時から、このリンクから購入できます。」

告知文を見たときには、「絶対欲しい!」という気持ちになっていることでしょう。

「この日は、買いそびれないように、時間になったらさっそくサイトを開かなければ・・・。」

大好きなインフルエンサーの洋服の制作過程を見ているうちに、どんどん気になって欲しくなる!

既製品にはない魅力、インフルエンサーの限定品。
フォロワーの意見も反映されている!
希少性、ストーリー性のある商品だからこそ、欲しい!

その洋服には、制作過程からフォロワーごとのストーリーや体験が生まれていく訳ですね。

そして、購入したら終わりではないのかもしれません。

「次の洋服の発売も、楽しみにしています!」

そんな風に、リピーターとなるかもしれませんね。

どうでしょうか?
私なりに書いてみましたが、イメージが伝わればと思います。

時代の変化に乗り遅れるな!

強い共感を伴ったモノやサービスは、SNSで拡散されて売れていきます。

現代は、便利なモノやサービスが行き渡っている社会です。

かつては、消費者も能動的で良かったんですね。
不便を埋めるために、お金を払えば手に入れられたのです。

「売れる」価値観も様変わりし、今は「役に立つ」より「意味がある」ことが求められているのは前述のとおりです。

モノやサービスは飽和状態なうえに、どれもが似たり寄ったりで、「所有する達成感」を得るのが難しいのです。

生まれ育っている最初からネットがつながり、求めずともすでに「持っている」世代にとって、何かを得るためのモチベーションは鼻からないのかもしれません。

さらにコトラーも提唱しているように、モノやサービスが持っている「機能価値」はもはや輝きを失っていると言います。

「感情価値」や「参加価値」が求められるようになり、さらに「価値経験」志向の「マーケティング4.0」の世界へ突入。

著者は、プロセス(過程)に価値が出る、「プロセスエコノミー」も、「マーケティング4.0」とマッチする概念と言えると指摘しています。

みなさんの消費活動の動機は、どこにありますか?








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森本木林(きりん)@読書研究家
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