モリゼミseason1終了を迎えて
本日は「市役所をハックする」のモリゼミseason1最後のゼミでした。
最終回なため、出席者同士での振り返りがメインとなり、今後の活動や仕事、そして人生でどう役立てていくかが共有されました。
モリゼミとの出逢い
モリゼミの前に、「市役所にハックする」に参加させていただいたのですが、そことの出逢いは同じ役所で働く先輩の渡辺潤さんからの紹介でした。
僕が入庁したときに同じ課におり、様々な場面で助けていただきました。
今回も、「こんなのがあるんだけどどう?」と誘っていただいたのがきっかけです。
最初は、「ハックってハッキングでもするのかな」なんて思いもしましたが、山田崇さんが立ち上げた会だし、話も聞いてみると健全だと思ってほぼ即入会!
モリゼミの案内も同時にもらっていたので、楽しそうだし仕事に役立てられそうと思い、こちらも即入会したのが思い出です。
モリゼミの活動を通して
最初に提示された国々から希望を選択するのですが、僕は台湾を選択しました。
デンマークにも興味はありましたが、モリゼミに割ける分量を考えると、どうしても一か国が限度。悩みましたが、台湾の政治参加の意欲と高さが、今の日本と全然違うため、まずはそこを学びたいというのが動機でした。
ただ、通しで参加できたわけではなく、個人的な事情からどうしても7~8月あたりは全く活動に参加できなかったのが悔やまれ、仲間たちに迷惑をかけてしまいました。それでも、台湾チームに再合流させてもらえたときは温かく迎え入れてくれて本当にありがたかったです。
台湾から学ぶことは本当に多くありましたが、大きかったのは2点ありました。
①歴史的背景
これは対中国との関係です。台湾は国際的に自立しようとする中で、そして今でも中国からの脅威に晒されています。その良し悪しは別として、独立国を堅持するには絶対的に国民の後ろ盾がないと成り立ちません。
戒厳令下では国民党による一党制の元、バランスを保っていた部分はありました。しかし、長くの政権では中国と癒着し腐敗していきました。そこから上がってきたのがまさしく市民の力でした。
台湾の事例からでも、人は必要に迫られた時にこそ強い力を発揮することがわかるのです。
②市民の成功体験
特に台湾の近現代史は紆余曲折あり、うまく事が進んだことはほとんどありません。最近になって、「あれ?うまくいってる」ということが実感できるほど。
それは市民にとっても同じで、ひまわり学生運動等の活動を通じて様々な成功体験を蓄積させたことが今の台湾の強さの一つだと感じています。
成功体験があるから更に上へチャレンジする。これって僕たちも仕事等で体験していることですよね。
個でも群でも根本的には同じですから、市民が政治活動で成功体験を得ることは、更なる政治参画、そして中身のある民主主義へと繋がっていくのです。
これから
半年のモリゼミを通して得た知見は多いです。まだ粗さはありますが、インプットはできたと思います。次はアウトプットです。アウトプットするからこそインプットがある。ただ知識を得るだけではもったいないですし、得た知識を役立たせることなく墓場へ持って行ってしまっては「知の死」だと僕個人は思っています。そこで以下の3点に絞って今後は活動をしていきたいです。
①
まずは台湾チームのその後です。今現在、モリゼミで得た知見をどう活かし、日本の投票率を上げて政治への参加を増やすかが課題となっています。
これについては今後、台湾チームで話し合うことでありますが、僕も積極的に関わり、その活動を自分の生活の中に落とし込むことで無理なく継続できるようにしていきたいと思っています。
②
次に仕事においてです。
僕は公民館で社会教育の仕事がしたく市役所に入庁しました。では、「社会教育」とは何か?
社会教育が最も目指すべきことは、簡単に言ってしまえば市民の幸福追求権を行使できることです。つまり、自分自身の人生を幸せにするために、文化活動したり、お金を得たり、生活をより良くしたりしますが、その全ての中には“課題”が詰まっています。その課題とは、生活課題や地域課題、政治課題等様々です。それを解決することが自分の人生をより良くするための第一歩なのですが、一人でするには当然限界があります。それをみんなで学び合い、話し合い、解決し合うことが社会教育です。
今ではその力が弱まっていると感じていますが、人口減少等により各地域の力量が試されている今は特に社会教育の役割が大きくなっています。
しかし、いきなり「みんなで政治について考えましょう」と言ってもハードルが高く、限られた人たちしか参加しないのは目に見えています。多くの人に参加してほしい、みんなで作り上げていきたい、そのためには「小さな成功体験の積み重ね」が必要だと感じました。
自分自身の生活のほんの一部分を良くしていき、それが成功体験となります。次は家族のこと、他人のこと、地域のことという様に対象を少しずつ、成功体験とともに大きくしていくことで、政治課題にも繋がり、能動的に政治参画していくようになります。
僕はライフワークにおいても、最終的にはそれを目指しています。
③
最後にプライベートでのことです。
今、離れた場所に暮らす仲間たちとともに、共同研究(公民館主事の歴史的ポジションについて)をしようという話が持ち上がっており、僕個人としてもその研究には力を割きたいと思っています。
その中で、モリゼミにおける活動はオンラインで共同研究ができることの成功体験でした。
文明の利器は利用しない手はありません。オンラインでも共同研究ができることは自分としてはまさしく渡りに船。モリゼミで学んだ手法は個人的に大いに役立てることができると思います。