7:53中央線荻窪駅
「だいすき」
「愛してるよ」
「気持ちよかった」
「俺あったかい家庭が作りたいんだよね、子どもは2人は欲しいな。結婚式は派手に、友達100人呼んでやりたい。」
「ふーん、いいね。いいじゃん。」
御伽話を聞かされているような気分で、なんて言えばいいのか分からなかった。分かる努力をしてくれてたよね。分かろうとしてくれてたけど、お互い全然分かってなかった。初めからそんなことわかってた。分かるより分かれるほうが楽だもんね。ありがとう、今まで。
別にいつでも死ねる。
でも、死んだら私があいつらのことで悩んでやるせなくて苦しくて不安で悲しくて死にたいって思ってた時間もなしになるわけじゃないですか。
え、そんなの全然不平等じゃないですか。
復讐したいとかそういう気持ちはないんだけど、たぶん死ぬより生きるほうが向こうにダメージ与えられるんだ。私が死んだら相打ちに合うし、私のことなんて忘れて生きていくんだからどうせ。Twitterに私の写真載せてご冥福祈ったら余裕で末代まで呪ってやる。
私のぐちゃぐちゃになった遺体は世間で1週間くらい話のネタになって消費されて消えるわけじゃないですか。それが許せないんですわ。
せっかく生まれたのなら10,000円札に顔が載るか、もしくはYouTube shortで半生みたいなの作ってもらえる人間になるまで死にたくないの!!!
わたし普通デスみたいな顔して街歩いて電車に乗ってます。毎日人狼みたいな気分なんです。
靖子ちゃんが死にたいと思わないような人生じゃなくてよかったって言ってた。そんな美しいことが言える人に人生で出会えた私は幸せ者だな。
だいすきな演劇で、肯定されちゃって。なかったことにした自分を肯定されちゃって、恥ずかしくて、でも嬉しかった。毎日毎日ちゃんと死にたいけど、生きててよかったと思える時がくるんだ。生きててくれてありがとう!と言われた。私が生きてることに感謝してくれる人がいた。また死ねない理由が出来ちゃった。