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死ぬより怖い!? 人前での〇〇

小学校の先生で2人のパパでもある もりもりです。「放課後の職員室」というコミュニティを運営しています。先生たちが職員室で笑い合ったり、真剣に語り合ったりする温かいコミュニティを目指して活動しています。


突然ですが、皆さんが怖いものはなんですか?
幽霊?宇宙人?
昔から日本では、恐ろしいものとして「地震・雷・火事・親父」が有名ですよね。皆さんが普段の生活で『怖い』と感じるものはなんですか。



ある調査によると、

多くの人は、『人前でのスピーチ』に恐怖を感じるそうです。

えっ!そういう感じ!?がっかりさせちゃったらすいません。今回は、多くの人が怖いと感じている『人前でのスピーチ』についてお話していきます。


死ぬより怖い!? 『 人前でのスピーチ 』

「子どもの大人も知っておきたい13歳からの心理学(内藤誼人:著)」には、アメリカのネブラスカ大学で行われた調査が紹介されていました。

人間が恐怖を感じることランキング
1位:人前でのスピーチ(61.7%)
2位:金銭的なこと(54.8%)
3位:死 (43.2%)
4位:孤独(38.3%)
5位:高い所(37.7%)
(カレン・ドワイヤーの調査結果)

子どもも大人も知っておきたい 13歳からの心理学:内藤 誼人

815人を対象に行われた調査では、『死ぬこと』よりも、『人前でのスピーチ』の方が怖いと感じるということがわかったそうです。
なんと、プロのオペラ歌手やフルート奏者ですらステージでは緊張するそうです。人前に立つということは、子どもでも大人でもプロでも皆緊張するということです。

脱・緊張 子どもに伝える 4つのこと

『死』よりも恐ろしい『人前でのスピーチ』とどのように向き合っていけばいいのでしょう。先生という立場でもし子どもから「先生死ぬほど緊張しています。どうすればいいですか?」と聞かれたら、なんと答えるか考えてみました。

子どもの伝える4つのこと
・ 緊張している自分を受け入れよう!
・「成長のチャンス!」と言い聞かせよう!
・「失敗したらどうなる?」最悪を想定しよう!
・ 最強のおまじないをかけよう!

 緊張している自分を受け入れよう!

『人前でのスピーチ』が恐ろしく感じる原因の一つが『緊張』です。緊張している時は、いっぱいいっぱいで「あれがこうなったら、あ〜もういや〜」って、テンパっている状態です。
一旦そんな自分を受け入れてあげましょう。そして、「緊張しているな〜」と言葉に出し、緊張を受け入れることで意外と落ち着くことができます。
子どもの中には、緊張を上手に表現できない子もたくさんいます。

例えば、
・友達にちょっかいを出す。
・友達との距離が近くなり、ベタベタくっつきたがる。
・力加減ができなくなり、物を壊したりケガをさせたりする。
・ひねくれて、指示が入らなくなる。

 子どもにも「緊張して当たり前。皆が緊張する」ことを伝えます。自分だけでなく、皆緊張していることを知ると緊張を受け入れやすくなります。そして、緊張しているときの適切な行動をアドバイスします。

「成長のチャンス!」と言い聞かせよう!

緊張する場面に立っているということは、普段とは違う環境にいるということ。何かしらの挑戦をしていたり、新しい経験を積み重ねたりしているとき。そんな時は、「成長のチャンス!」と前向きに捉えるように伝えます。
緊張しているときには、「そんな風に思えるか〜!」って言われそうですが、次に緊張する場面が来たときに自分から「これは成長のチャンス!」と思えたら、緊張を前向きに捉えることができるはずです。
「わ〜緊張している。どうしよう。」から、「わ〜緊張している。けど、これは成長のチャンス!挑戦していてえらい!」って『緊張=成長できる』このマインドになれたら挑戦することが増えそうですよね。

「失敗したらどうなる?」 最悪を想定しよう

子どもは「あ〜失敗したら人生終わりだ〜」なんてことをよく口にしますが、本当にそうでしょうか?

もしスピーチ、発表で失敗したら?
・スピーチで次の台詞を忘れた。
 →しばしの沈黙。→観客:あの子忘れちゃったんだな
 →周りの人(先生や大人、友達)が助けてくれる。
・発表中に声が裏返る
 →観客:クスッ(笑われる)
・スピーチで全然違う内容を発表してしまう。
 →観客に勘違いをさせる。
 →周りの人(先生や大人、友達)が助けてくれる。

どうでしょう?失敗=人生終わりですか?
失敗がすごく怖いのは分かりますが、最悪を考えてみると人生が終わるほどのものは一つもありません。特に学校の中では、先生も友達も助けてくれる人は周りにたくさんいます。最悪を想定することで、失敗しても大した事ないと思えたら勝ちですね。

最強のおまじないをかけよう!

最後は、おまじないです(笑)
みなさんも小さい頃に緊張したときに必ずやる「おまじない」ありませんでしたか?私は、掌に「人人人」って書いて飲み込むというものでした。今となっては全く意味がわかりませんが、それでいいのです。
この他にも、「観客をじゃがいもだと思う」とか、「私はできる(I can do it!)と唱える」とか、これをやったら「なんか落ち着いた」って思えるものがあったらそれでいいのです。

学校でできること

多くの人が緊張したり、怖いと感じる『人前でのスピーチ』子どもたちの成長のために学校では、どんなことができるでしょう。

発表の型・原稿を使って練習させる

人前でのスピーチを克服するために大切なことは、経験です。とにかく人前で話すことをたくさん経験する必要があります。しかし、話すのが苦手な子どもは、なにを、どのように話したらいいのか分かりません。まずは、発表の型を決めて発表してみたり、原稿を作成してそれを読みながら発表してみたりすることが大切です。慣れてきたら、原稿を自由に変えさせたり、原稿を見ずに発表させたりスモールステップで成長を実感させることが大切です。人前で話すことができる機会をたくさん作り、経験させることで自信を付けさせましょう。

少人数で自分の意見を発表させる

隣同士(ペア)、班(3,4人)で自分の意見を話す機会を作っていきましょう。内容は、簡単なものから始めるのがオススメです。また、理由も言えるような内容にすると、発表がさらに上達していきます。
【トークテーマの例】
・好きな給食
・最近ハマっている遊び・ゲーム・音楽
・週末にしたこと
・習い事
・好きなイベント(クリスマス、お正月、節分、、、)
・もしもシリーズ
 ・もしも、動物になれるとしたら
 ・もしも、100万円もらったら
 ・もしも、どこでもドアがあったら

以上のようなトークテーマの中から一つ先生がくじで選んで『今日のテーマ』にしたり、サイコロを振ってテーマを決めたり、楽しく話す事が大切です。

挑戦を価値付ける

人前での発表を経験してみないと、成功することも失敗することもできません。挑戦してみないと自分ができそうなのか、難しそうなのかも分かりません。知らないものは、怖いものです。
ぜひ学校に通っているうちから人前でのスピーチを経験させてあげたいと思います。そして、その挑戦に対して「とてもいいことだ」と認めてあげることが大切です。
ポイントは、『挑戦を価値づけする』ことです。成功や失敗といった結果は関係ありません。怖かったけど、挑戦してみたことを認めて、挑戦=良いことだと子どもたちに伝えていくことが大切です。

まとめ

今回は、死ぬことより怖いと言われる『 人前での発表 』について紹介しました。私が、子どもたちに伝える4つのことは、
・ 緊張している自分を受け入れよう!
・「成長のチャンス!」と言い聞かせよう!
・「失敗したらどうなる?」最悪を想定しよう!
・ 最強のおまじないをかけよう!
緊張を受け入れて、上手に向き合えるようになってほしいと思います。
緊張を克服するために学校でできることは、
・発表の方・原稿を使って練習させる
・少人数で自分の意見を発表させる
・挑戦を価値付ける

スモールステップで成長を実感させて、大人になったときに『人前でのスピーチ』に対する抵抗を少しでも減らしてあげたいと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんは、子どもに発表をさせるときどんなことに気をつけて、どんな指導をされていますか?オススメの指導や声掛けがありましたら、コメント欄で教えてもらえたら嬉しいです。

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