【ミャンマークーデター】新政権NUGの設立
少しご無沙汰になってしまいました。
5月になり、ヤンゴン市内は、
どちらかというと「経済」を優先させるような
動きが増えてきたように思います。
ヤンゴン市内では渋滞もあり、ショッピングモールもほとんどがオープンしています。
4月中旬のミャンマーのお正月が終わってからなんとなく、仕事始まっているのか止まっているのか、区切りがない中途半端さがあります。
本日は、先月発足した「NUG」についてです。
1、NUGとは?
NUGとは、4月16日に発足された
ミャンマーの新しい政権です。
スーチー氏の政権「NLD」所属の議員で
クーデター後に形成された議会「CRPH」が
国家統一政府「NUG」の設立を発表しました。
しかし、国軍は、「非合法組織」と表明しました。
5月8日(土)には「テロリスト」と認定しました。
今後さらに、大臣・副大臣の拘束、
NUGを支持する国民への弾圧が続くと思われます。
NUGは、国際社会に向けて
「正統な政府」として承認してもらえるように各国に働きかけています。
NUGの
大きな特徴としては、2つです。
①少数民族出身の方が大臣・副大臣に
②新しい省庁の設立と、国軍実権の廃止
それぞれ解説します。
2、特徴1:少数民族出身の方が大臣・副大臣に
NUGは、少数民族出身の方を
大臣、副大臣など要職に任命しました。
副大統領にカチン族出身者、
首相にカレン族出身者、
など、要職の26人のうち
13人が少数民族出身で
8人が女性です。
ミャンマー歴史上で最も多様性溢れていると言われています。
これまでがビルマ族中心だったので大きな変化です。
少数民族や武装勢力の中には
「正式にCRPHを支持する」
と声明をしていない組織や、
(国軍に反対する、という声明はあり)
組織・民族としてCRPH支持をしていても、
その組織・民族の中には、
「100%支持しているわけではない」
という個人の思いを持つ方もいます。
つまり、ほとんどの少数民族・武装勢力は
「国軍に反対をしている」
という傾向にはありますが、
「CRPHや、ビルマ族を認めたわけではない」
という構造です。
この辺りは、難しいですね、、、。
”○○族は、CRPHを支持”
という大きな主語で語るよりも、
主語をもっと小さくしていく必要があると感じました。
(ここでは、便宜上「〜〜族」という形で使わせていただきます。)
今回の半数が少数民族出身という構成には
ビルマ人が相当気を使っている、というのも垣間見えます。
ちなみに、1988年のミャンマー民主化運動では
CRPPという組織が連邦議会が結成されましたが、
当時は、少数民族は1名しか含まれない政党だったそうです。
3、特徴2:新しい省庁の設立と、国軍実権の廃止
2つ目の特徴として、
国軍が実権を握っていた省庁にも大臣が任命されました。
国軍がこれまで実権を握っていた
・内務省
・国防相
をNUGから大臣・副大臣を任命しています。
さらに、これまでになかった新しい省庁も設立されました。
・人道・災害管理省
・女性、若者、子ども問題担当省
・人権省
が新しくできた省庁です。
主に、難民問題や内戦・紛争に関しての省庁だと思われます。
国軍が任命していた2つの省庁を、NUGが任命したということは、
正式に、政治の中から
「国軍を追い出す」
という強い意志があるように思います。
国軍が政治の実権を握っている方が、世界的には珍しいので、
これで、世界的にも通常の?議会のあり方になりそうですね。
以上、今日は、先月16日に発表された「NUG」についてでした。
まずは、NUGに選出された大臣・副大臣の方々の身の安全を祈りつつ、
国際社会がNUGを正式な政府として認めてもらうことが
ミャンマー問題の解決に向けた1歩になると思います。
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