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山田洋次が渥美清さんから聞いた話し

 「小学生の時、友達の両親が二人とも目が見えなくて、皆にいじめられていた。

 あいつの家じゃどうやって飯を食っているのか、みてやれと、ある日、悪童どもが夕食の時間にそっと覗きに行った。

 すると、少年を挟んで両親が食事をし、真ん中にがんもどきみたいなおかずがあった。

 少年は一生懸命飯を食いながら、時々両親の茶碗におかずをぽんと乗せてやる。なくなるとまた乗せてやる。
 
 
皆それをじっと見ていて、黙って帰って、それから誰もいじめなくなったというんだ。」  
      山田洋次


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