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GHQと日本の英語教育

 日本の英語教育は江戸時代には始まりました。しかしその後の大戦によって度々中断されました。

 第二次大戦後にはGHQによる占領統治下、CIE(民間情報教育局)の指導により英語教育が議論されるようになり、1951年から中学校で選択科目として英語教育が再開されます。

 1951年から50年間に渡り選択科目として継続された英語は1960年代には選択率は100%になり、2002年に中学校での必修化が行われました。

 GHQ(CIE)による英語教育方針が提案され日本はそれを採用しました。その教育方針が文法訳読方式で文法理解と英語を日本語に訳すことに重点を置いた教授法でした。以後、英語は文法と和訳が中心になり、今も変わりません。

 GHQの真の目的は、英語で発せられた命令を理解できるように日本人を教育すれば良いのであって、英語で反論したり議論をしたりする事がない様にする事でした。日本人に英語を流暢に話されては困るのです。

 だから、英会話は日本の英語教育にはほぼ含まれていませんでした。

 今でもリスニングの授業があまり重視されていないし、本格的な発音の指導がないことからも分かります。

 英語の文法訳読方式では英文をネイティブの様に読む事もできません。英文を返り読みで読むよう教わるから速読ができません。日本人で英語が堪能な人は殆どが独学で英文の読み方を習得しています。僕もそうでした。

 大学で哲学を専攻した僕は毎日膨大な量の英語のテキストを読む必要がありました。ギリシャ語やラテン語、フランス語やドイツ語などで書かれた哲学書を読む時に、どうしても英語で書かれた研究書を読まなければならなかったからです。

 現在僕が提唱しているスラッシュ・リーディングや読み下し読みなどはそんな大学生の僕が行なっていた英文の読み方です。(後にアメリカの小学校で教えている英文の読み方だと知りました。)

 日本の学校教育では英語ができる様にはなりません。英語を読むことも、聴くことも、話すこともできないのが実情です。

 学校の英語教育では、読む練習をしないのに読める様にはなりませんし、話す練習もしないのに話せる様にもなりません。


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