フィンランドの小学校
長男がまだ小学生だった時、僕と長男は夏休みの間、2週間程の予定で北欧を見て歩く旅をした。フィンランドでは取引先のログハウスメーカーの社長に招待され、彼が所有する小さな島の電気も水道も無い別荘でアウトドアライフを経験させて貰った。
そのログハウスメーカーの社長は大学へは行かずに働いて買った古い製材工場をログハウスメーカーにした苦労人で身長が2メートルもある大男だった。
彼にはちょうど長男と同じくらいの年齢の子が2人いた。2人とも小学生だったが上の女の子はピアスを開け、化粧をして学校に行っていた。下の男の子は学校でギターを作っていると嬉しそうに話していた。
訊くと、学校では試験も宿題も無いので教科書を家に持って帰る必要が無いのでランドセルも無いのだそう。そして、昼食を食べると授業は終わりで、家に帰るのだと。
当時は不思議に思えたフィンランドの教育だが後に国際学力調査(PISA)において常に上位を占める事が分かって、暗記では無く、考える力や自主性を重んじるフィンランドの教育の結果に目を見張ったものだ。
社長である彼は朝6時には出社し、午後3時頃にはバーベキューを社員と共に楽しんだ後退社し、家に帰って完成が近い建築中の自宅を自分で建てていた。子供達も早く帰っているので家族でいっしょに過ごす時間がたっぷりあるのが羨ましかった。
フィンランドからスウェーデンには大型のクルーズ船に一泊して行った。スウェーデンの知り合いに会うためだった。
長男にとって初めての北欧旅行はカルチャーショックだったようで帰国するなり不登校になってしまったのも懐かしい思い出だ。