あの子の日記 「未来行き各駅停車」
日本のどこかの、誰かの1日を切り取った短篇日記集
窓から見える街は、世界を早送りするように僕の後ろへ流れていく。後ろ向きに座りなおして時間を巻き戻せたら、やり直したいことがいっぱいある。
お酒で顔を赤くした僕を乗せる電車が過去に向かって発進する。
ぼやけた目に映るショートヘアの女性。10代の頃に気になっていた女の子に似ている。
日中すれ違う度にちょっかいを出し、家に帰ると既に把握している翌日の時間割を知らないふりしてメールで聞いた。
当時の僕は不器用で素直じゃなかっ