稲刈り体験と一緒に“茨城の秋”を楽しむ学校旅行|東洋英和女学院小学部・稲刈り体験レポート2
2023年10月3日4日の2日間、東洋英和女学院小学部の5年生が茨城を訪れました。今回の一番の目的は、稲刈り体験。春に児童の皆さんの手で田植えした稲を、収穫してもらいます。
6月の田植えと今回10月の稲刈りで、一連の稲作プロセスを学ぶこのプログラム。ぜひ宿泊で来ていただくのがおすすめです。理由は、せっかくなら茨城には、お米以外にも訪れてほしい場所・体験してほしいコンテンツがたくさんあるから。
東洋英和女学院小学部5年生の皆さんは、今回の旅行は今年度2回目の茨城訪問。田植えのときは日帰りだったので、お米に関する学びと田植えのみだったのですが、今回は1泊2日。茨城で秋の自然に親しんでもらえる行程を組みました。
稲刈り体験にどんなコンテンツを組み合わせたのか、児童の皆さんの様子と共にレポートします。
短時間でハイキングを楽しむ筑波山散策
1日目、朝7:30に学校を出発したバスが、最初に向かったのは筑波山。その対称性のある美しい形から「西の富士 東の筑波」とも呼ばれています。百名山にも数えられているうち、最も低いのがこの筑波山。標高が低めで登山にチャレンジしやすいこと、目的や時間、難易度に応じて10の登山コースから選択することができるので、学校旅行で訪れるのにもぴったりの山です。
この日、東洋英和女学院の皆さんは、つつじヶ丘駅からロープウェイに乗車。6分ほど眺望を楽しんでいる間に、標高840mへ。山頂近くの女体山駅に到着です。ここから歩いて、5分ほどで女体山頂。御幸ヶ原を通って、男体山山頂からの景色を眺めました。帰りはケーブルカーで、約8分木々の間を通りながら斜面を下ります。今年は暑かったこともあり、緑の景色に包まれました。このコースなら、短い時間の中で、男体山(標高871m)、女体山(標高877m)の2つの峰を押さえつつ、視点を変えて筑波山の魅力を味わえるのでおすすめです。
児童のみなさんは、山の新鮮な空気を味わいながら、ハイキングと昼食で約3時間、筑波山の景色と新鮮な空気を楽しんでいました。
全国一位を誇る生産地で栗拾い体験(安田果樹園)
筑波山から降りてきた児童さんを乗せ、向かった先は、かすみがうら市。千代田地区には複数の果樹園がある中で最大規模の、広い農園を持つ「安田果樹園」です。8月中旬から11月下旬頃まで、梨・巨峰・栗・柿・シャインマスカットといった、季節の果物狩りを体験できる観光果樹園です。
児童の皆さんはここで、栗拾いを体験。体験前には果樹園の安田さんが、栗のことや栗拾いの方法を手短に分かりやすく説明をしてくださいました。
・ほかの果物狩りとは違い、栗は地面に落ちているものを拾うこと
・イガのまま落ちる種類と、粒の状態で木から落ちるものがあること。
・イガの中にある栗は、両足で右・左と交互に足踏みする要領で取り出せること。
そういった、栗のことと、栗拾いの基本をテンポよく教えていただきました。そして……
「1人1かご持って、一生懸命拾ってみてください。たくさん拾ってくれると、おじちゃんたちもずいぶん助かりますから。多く拾った人には、果物のプレゼントがあります!」
果物の! プレゼント!!
なんと今回は児童の皆さんのために、特別に栗拾いのレースを企画いただきました。お子さんたちのスイッチがバチンと入ります。栗畑につくとすぐに、落ちている栗を拾い、開いていないイガの上で足踏みして栗を取り出していきます。最初の数分は、教えていただいた要領でイガを踏んでみても中身がなかなか取り出せないことにじれている子が多かったのですが、すぐにコツを習得。ごほうびゲットを目標に落ちている栗探しに全力を注ぐ子、イガの中から取り出すのは時間がかかって難しいと落ちている栗を集める作戦をとる子、見た目にこだわってまるまるとした美しいものだけを集める子など、時間いっぱい、それぞれの栗拾いを楽しみます。
拾った栗は、一人ずつスタッフさんに計測していただきました。1位の児童さんが集めたのはなんと、4000g以上…!大きなかごが、半分以上栗でみたされていました。「果樹園でとれた好きな果物をあげるよ」という安田さんのご厚意で、1位の子は葡萄を、2位の子は梨、3位の子は栗と、それぞれ立派なものをいただきました。
栗拾いのあとは全員で用意していただいた焼き栗を味わいながら、「甘い!」「あと10個食べたい」「今日の夕飯、全部この栗でもいい」という声も。茨城県の名産品・栗の魅力に気付いてもらえた様子でした。
雨天時にも柔軟に…動画で学ぶ茨城の農業
外の活動を計画する際、心配なのはお天気です。今回の東洋英和女学院の旅行は1日目はとってもいいお天気に恵まれましたが、2日目は朝から雨模様。事前に雨天時の行程案は作っていたものの、雨がどのタイミングで降って、雨量はどのくらいなのかによってもできること・できないことが変わるので悩ましいのです。この日も、昼頃には雨が止むとの予報だったので、稲刈りは雨上がりを待って行うことになりました。
クラスごとに、時間をずらしての体験を予定していたため、1クラスは当初の予定通り米粉を使ったクッキング[レポート①をリンク]にチャレンジ。さて、もう一方のクラスはどうしようか……と困っていた際に、引き受けてくださったのがJA茨城県中央会の萩谷茂さんでした。
萩谷さんは、1日目夜にも、お子さんたちに向けてお米に関する講話をしてくださいました。お米については一通り話し終えたけれど、他でも農作物や農業に関する動画を作成して公開しているので、それを見ながら、茨城の農業について知る時間としてくださいました。
例えば、お米を保管する際の積み方。
収穫したお米は米専用の低温倉庫で保管されるのですが、その際にフォークリフトを使って高く詰んで置いておくのです。その様子を見て始めて、田んぼからスーパーマーケット等で販売されるまでにお米の保管場所が必要なことや、どんな人がそこに関わっているのかを想像できるようになります。
また、野菜の収穫の様子。日本有数の農業県である茨城では、たくさんの野菜がとれます。この日は、白菜の収穫の様子を視聴しました。
白菜は1つずつが大きく、カットするだけでも大変そう。収穫した白菜を運んで、段ボールに4つずつ箱詰めしていきます。詰める段ボールも、組み立ては農家の方が行います。段ボール組み立て専用の機械があることも、作った箱が飛ばされてしまうこともあるので風向きを踏まえて効率よく作業できる場所で箱を作っているなど、動画に解説を加える形で萩谷さんが教えてくれます。畑からお店に届けられるまでにそういう作業もあったのかと、解像度がぐっと上がります。動画を見るだけでは気付かなかったことにまで目が向きました。
動画を見終えると「どうして、段ボールのふたをしても隙間ができるんですか」という質問があがりました。お子さんたちの観察力、さすがです。これには白菜の卸先までの距離が関係していると、すぐに答えてくださる萩谷さんも流石です。質問から、収穫後の流通までをみんなで共有することができました。
お子さんたちの関心が最も高かったのは、米粉クッキングの動画。
体験当日ということもあり、「米粉の動画が見たいです!」とリクエストがありました。生のお米をミキサーにかけて、パンケーキを焼き、盛り付けるところまでがひとまとめにされた動画を見て、お子さんたちは午後の体験に向けてイメージトレーニングができたのではないでしょうか。
天候によっては屋内で楽しめる施設も
今回の旅行では2日目の行程に農業等に関する動画視聴を追加する形となりました。もっと雨がひどく、1日中雨の日となってしまった場合には、屋内施設を訪れる行程に変更することも可能です。
東洋英和女学院の場合は、雨天時にはつくばエキスポセンターと、アクアワールド大洗でイルカショーなどを楽しむ行程を用意していました。宿泊施設のある水戸市から移動可能かつ、雨の日でも楽しめる施設はほかにもあります。万が一の場合のご希望に合う雨の日プランも、ぜひご相談ください。
お米の体験+αで、充実の茨城旅行を
ご紹介したように、茨城でのお米体験では、旅行日数や目的に合わせてお米以外の体験も柔軟に組み合わせることができます。
私たち・森と未来の学校では、学校ごとの課題や先生方の想い、児童・生徒の実態にあわせて茨城県内での学校旅行をサポートしています。茨城の地で田植えから収穫までの一連の流れを学ぶ教育プログラムも、それに組み合わせるコンテンツも、オーダーメイドでお手伝いいたします。お気軽にお問い合わせください。
一番の目的である稲刈り体験の様子は、下記の記事でご覧いただけます。稲刈りだけじゃないお米の学びが得られる、充実の体験内容となっていますので、ぜひご一読ください。
1日目の様子はこちら