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2014年5月の記事一覧

酒井法子

酒井法子

つかれてすごい泣きながら 
タイミング良く酒井法子が釈放された瞬間をリアルタイムで見てた 
横付けされた車に乗り込む彼女を 
天から光が射してきて包み込むのを 
リポーターたちがあわてて中継してる 
「空から謎のひかりが射し今酒井容疑者の体が空中へと吸い込まれていきます!」 
だんだんちいさくなっていく酒井法子が完全なフィクションから 
ある意味ノンフィクションになって 
何度もくり返される映像を

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それだけでそこは海だった

皮膚が青く発光しながら離れていく
わたしたちの本当の名前をよばないでください
あの時もうすでに終わっていた命
夏休みのプールの匂い
それから
冬休みのプラットフォーム
ながいながいコードをひきずって
たぐりよせてからまって
狂ったように音の中を歩いている
音しかきこえない
わたしたちはすでに音だった
わからない
それで充分だった
それだけですべては
もうすでに完璧
だった

どこか遠くにいきたい

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仕事先で何かの自己啓発系セミナーを受けろと言われて

仕事先でなにかの 
自己啓発系セミナーをうけろといわれて 
そういうのはもうさんざん勉強しましたからと断ると 
これはほかの物と違って無料だし 
うちの店に足りない物だとオーナーがいって 
こういうセミナーに2万くらいはらって俺はいつも勉強している 
というようなことをいったので 
やはり断った 

選手時代にいくらお金をつぎこんだかわからない 
一万円や二万円のセミナーどころか 
何百万もだ 

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トリノ

鳥の
群れのカーブが影のかたちで東雲の湾岸道路のアスファルトを
よこぎる
路肩でセックスしてる
そういう車をチラ見しながらお台場をやりすごして
レインボーブリッジでゆりかもめとすれちがうたび
ファックと呟く
みんながむかし書いたポエムをびりびりやぶいて
光を備えた建設中の港南のビルたちからいっせいにばら撒いて
わー
雪みたいできれいー
これが東京かー
みたいな景色が見たい

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レター(mixiより)

正直今日の日はえぐれるような1日だった 
いろんな意味で 
あたしはもっと強くなっていかねばならない 
昨日よりももっとぐるぐるめまいがした 
あたしはもっと強くならなければならない 

帰宅すると手紙が来ていた 
夫からの手紙がきていた 
休日をはさんだので遅れたのだ 
もう見切りをつけていたところだったので驚いた 
率直でいい文章だった 
あたしは返信しなければならない 
家族というのがどんな

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ファイヤーフラワー

レターのトラックとして使います

保育所をさがして

生後四ヶ月の娘を朝の五時からあずけれるような
保育所をさんざん探してさんざん電話をかけたあと
少し詩を読んだ
被爆者のケロイドを体に負うことが
物事を理解することではない
とりだされた真実
加害者でもなく被害者でもないものによりそう沈黙
語り出す後世に残された解釈
「世界は軸を失ったメリーゴーランドのように回りながらかたむいている」
九一一という数字に関わったたくさんのこころがその煙をなすすべもな

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アドバルーン(8/24用)

アドバルーン(8/24用)

(モリマサ)

「目的地まであと5分です」

音声で表示されていく地図たちが広がって

空気が少し残った歪んだアドバルーンを

片隅にのせたまま

駐車場はかたむいている

誰の住んでいるどの町にもあるファミレスの

メニューみたく近くて

遠いのにどこまでもつるっとつながってて

のぞいてる全員の感覚がいまここに

今ここに何もかも超全部つながってる

(まみちゃん)

(高校生 兄)

わーい

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「やっぱ、チョッパーっすね」

「やっぱ、チョッパーっすね」

先週 
友人の通夜のあと 
これ幸いと 
「フクシマ」 
であれでしょう?部長 
とかいって 
一週間会社から 
はやめの 
「節電」夏休みをとって 
で南米を 
ヒッチハイクでうろついた 
ときおりペヨーテをかじり 
日焼け止めをぬりたくり 
寝袋を背負い 
よぼよぼのラッコの 
最期みとったりして 
一晩ともにすごしたが 
ラッコはリアルに生き返ったり 
しないってこととか 
わかってよかった

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