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ベニスに干す

82. 洗濯の技術 ベニスに干す

 大洗濯をすることにした。見渡すとぶら下げる場所が豊富にある。チェックインを早めにさせて貰えたので、昼下がりの40分間ぐらいを使って一気にオペレーションを進めた。


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 この写真の手前には身体を寄せ合う恋人たちが写っているが、彼らの目線の先にある建物の下から2列目の窓には私の干したナガズボンが2本ぶら下がっているのだった。

91.ベニスに干す4


 旅の間に何回か部屋で洗濯をした。バスタブがある場合やシャワーブースしかない場合、洗面ボウルが大きい場合小さい場合、条件は宿によって違うが、基本的に洗濯の方法はこのようにした。


 まず、洗面器1杯程度の洗剤液を作る。そこに汚れた衣類を漬け込む。全体が洗剤液を含んだら、踏む。踏む。踏む。衣類の上下を足を使って入れ替えてまた踏む。要するに、衣類の繊維内部に付着した汗や雑菌、悪いニオイの物質を、洗剤液に溶かし出して繊維から除去すればいいのだ。鳥の空爆などのスポット的汚れはそこだけゴシゴシして取り去る。そして洗剤液を捨てて、また踏む。これは脱水の行程だ。
 シャワーがあるなら流しながら、シンクなら貯めて、今度は洗剤液を繊維から追い出す作業。踏む。水を替える。踏む。ワイン農家でジュース作りを任されている素足の生娘の気分だ。

91.ドブロ 洗濯

91.アゴラの洗濯

 水が濁らなくなったら最後の脱水踏みをして手で一生懸命絞る。バスタオルを拡げて重ならないように衣類を配置する。バスタオルごとくるくると丸める。そして踏む。これで脱水完了。干す。  

91.アゴラ 洗濯

    百均の物干しパンチが活躍した。S字フックはドアや家具に掛けて干す場所を創造するのに役立った。海外のドアや家具の扉は厚いものが多いので、S字の大きなものが特に役立つ。

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