11歳の私と41歳の父
私にとって最初の一人旅の記憶は11歳の時。祖父と祖母に会いに、新幹線といくつかの電車を乗り継いで自分一人だけの旅をした。前々から一人旅を計画してたのではなく、祖父と祖母に会いたいという気持ちだけで行動に移した。母は最後まで少しだけ反対をしていた。電車の乗り継ぎに失敗したらどうしようと不安に思っていたらしい。父は特に何の言葉も発しなかった。強いて言うなら、不安そうに旅行の準備をする私を見つめる母をなだめる言葉を言ったくらいだった。
『何かあったらそこら辺にいる人が助けてくれる