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【はじめに公開】合否を分ける!関数電卓のスキルとテクニック――近刊『土地家屋調査士試験のための関数電卓徹底攻略ガイド』

2023年6月上旬発行予定の新刊書籍、『土地家屋調査士試験のための関数電卓徹底攻略ガイド』のご紹介です。
同書の「はじめに」を、発行に先駆けて公開します。


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はじめに

本書は、タイトルのとおり「土地家屋調査士試験」の受験者を対象に書かれた、関数電卓の使い方を独習するテキストです。

土地家屋調査士試験とは法務省が管轄する国家試験で、合格者は「土地家屋調査士」となって、依頼を受けて不動産の登記に必要な調査・測量、そして登記書類の作成を行います。合格率は毎年5%程度と狭き門で、非常に難関な国家試験の一つといえるでしょう。

特徴の一つに、法律などのいわゆる「文系」の知識と、測量などの「理系」の知識の両方が要求される、という点があります。ただし、測量士や建築士などの資格をもつ人は「理系」に相当する試験が免除される、という特典があります。ということは、本書を手に取った人は、測量や製図などに縁のなかった「文系」の人、ということになるのでしょうか。本書は、そういった人を念頭におきながら、関数電卓をまったく使ったことがない、という人でも土地家屋調査士試験に必要な数学の基礎と関数電卓のスキルを独習できるように配慮して書かれています。

本書では、試験に持ち込み可能な関数電卓からCASIOfx-JP500(と、その上位機種であるfx-JP700,fx-JP900)を選びました。巷には、関数電卓を複数台使う方法や、特殊な関数を使って交点を求める方法などが「秘技」として紹介されていますが、本書ではきわめてオーソドックスな、関数電卓の基本的な使い方のみを学びます。試験に特化したテクニックは、試験が終わったら用済みです。それより、土地を測るとはどういうことか、それには何をすればよいのかという視点で学んだほうが、合格してから役に立つでしょう。

本書は、まずキーの基本的操作から始めて、三角関数について必要最小限の知識を復習します。続いて計算履歴やメモリーなど、関数電卓を効率よく使うスキルを勉強します。そして後半ではトラバース測量の基礎と、交点、面積などの測量計算の考え方を学び、過去の試験問題を実際に解くことを通じて、手に入れた関数電卓を使いこなすことを目標とします。

一つ申し上げたいのは、本書はあくまで「関数電卓の使い方」を学ぶためのテキストであって、土地家屋調査士試験の問題を解くために必要な知識は、専門のテキストでしか学びえない、ということです。一方、土地家屋調査士試験受験者をターゲットにした関数電卓の指南書は現在でもほとんどないようですので、従来の参考書では関数電卓の使い方がわからなかった、という人にこそ手にとっていただきたいと思います。

本書が、一人でも多くの土地家屋調査士誕生に貢献できれば幸いです。

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東海大学 遠藤 雅守 (著)

国家試験「土地家屋調査士試験」に臨む人へ。
合格のための関数電卓の使い方、知っていますか?

  • 一番使いやすい初期設定は?

  • 電卓で四捨五入はしてもいいの?

  • 複素数モードを使って問題を解く方法は?

  • 解答時間が短くなるキー操作は?

電卓操作の基本から、1秒でも速く確実に問題を解くテクニックまで、関数電卓の上手な使い方を徹底的に解説。
測量計算の実例を通して学ぶので、単純な操作方法だけではなく、試験のために必要な実践力が身につきます。また豊富な例題・演習問題と過去問により、役に立つ機能を直感的に使いこなせるようになります。
 
問題集やテキストには書いていない必須スキルが身につく、受験者必携の一冊です。


【目次】
CHAPTER1 関数電卓の使い方
 
1.1 各部名称と機能
 1.2 電源を入れる
 1.3 初期状態を作る
 1.4 入力方法と表示方法の設定
 1.5 位取りのカンマ
 1.6 小数の表示モードを切り替える
 1.7 関数電卓の三つの動作状態
 1.8 負数の入力
 1.9 関数の入力
 1.10 入力の修正
 1.11 演算の優先順位
 演習問題
 演習問題解答

CHAPTER2 三角関数
 
2.1 角度の定義と角度モード
 2.2 三角関数の定義
 2.3 直角三角形の性質
 2.4 逆三角関数
 2.5 正弦定理、余弦定理
 2.6 1度より小さい角度
 演習問題
 演習問題解答

CHAPTER3 繰り返しとメモリー
 
3.1 直前の計算結果を利用する
 3.2 ラストアンサーキー
 3.3 メモリーの利用
 3.4 数式プレイバックと数式の編集
 演習問題
 演習問題解答

CHAPTER4 トラバース測量
 
4.1 測量の専門用語
 4.2 関数電卓の座標変換機能
 4.3 測量の手順
 4.4 測角点検と角度調整
 4.5 方向角の計算
 4.6 緯距、経距の計算
 4.7 閉合差の調整
 4.8 座標計算
 演習問題
 演習問題解答

CHAPTER5 点の座標と面積の計算
 
5.1 内分点の計算
 5.2 交点の計算
 5.3 直交する直線、平行な直線
 5.4 三角形の面積
 5.5 多角形の面積
 5.6 等積変形
 5.7 図形分割
 5.8 座標法による面積計算
 演習問題
 演習問題解答

CHAPTER6 土地家屋調査士試験の問題に挑戦
 
6.1 午前の部の問題(マークシート)
 6.2 午前の部の問題(記述式)
 6.3 午後の部の問題(書式)

CHAPTER7 複素数を使った測量計算
 
7.1 虚数単位と複素数の定義
 7.2 オイラーの公式と極形式
 7.3 二次元平面のベクトル
 7.4 関数電卓での複素数の扱い
 7.5 測量計算における複素数の考え方
 7.6 座標計算への応用
 7.7 トラバース測量への応用
 7.8 面積計算への応用
 演習問題
 演習問題解答

参考文献
索引

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