2024年7月下旬発行予定の新刊書籍、『不動点定理による安定性解析』のご紹介です。
同書の一部を、発行に先駆けて公開します。
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まえがき
本書では、微分積分学における中間値の定理の応用として得られる種々の不動点定理を解説し、さらに常微分・積分微分・差分・偏微分方程式の解に関する定性的手法を述べる。様々な方程式の安定性解析を学ぶための、また不動点定理を応用するための図書であることを意図し、必要最低限の定義を丁寧に述べ、重要な概念に関し入門的な説明をするように努めている。本書を通して一応の理解が得られるよう、記述は自己完結的(self-containted)な表現となるよう試み、また、定義・定理の内容の簡潔な説明を心懸けている。
前提とする知識は、線形代数学、微分積分学と、大学2年次までに学ぶ微分方程式論、複素関数論、フーリエ級数とフーリエ変換の定義、定理などである。本書では、主に条件が単純・簡潔な問題(初期値問題、境界値問題)に対し、不動点定理・逆写像定理を、どの様に応用すればよいかを解説することを目標としている。さらに例に関しては、未出版の知見を含めて多数を掲載している。その推論に関し不十分な部分があれば、筆者によるものであり、読者の指摘を真摯に受け入れるものである。
(以下略)
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