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商売が苦手なイラストレーターのための仕事のつかまえかた~第3章 後編

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第3章 商売の基本を知る

◆「価格」を知る

 ・価格の仕組みを知る

あなたは仕事をするなかで、自分が提供するサービスの「価格」について悩むことはありませんか? 個展で作品を販売するときの「価格」から、コミッションワークで発注者に見積もりを依頼されたときの「提案額」まで、クリエイターが自身のサービスの価格決定に頭を抱える機会は多いはずです。
 でも、悩んでいるのはあなただけではありません。世界のトップMBAスクールを卒業したグローバル企業のエリートも、居酒屋チェーンも、みんな「どの価格で売るべきか」について必死に考えています。価格設定を間違えることで、懸命に創ったサービス(商品)がまったく売れない可能性もあるのですから。
コスパで人気の焼き鳥チェーン『鳥貴族』が2017年、280円均一を298円に値上げただけで客離れが起きてしまったニュースは聞き覚えがあるのではないでしょうか。たった18円、たった5%の値上げで、客にそっぽを向かれてしまったのです。「薄利多売」の商売のフィールドは、価格に対して非常にシビアな世界だとわかります。

あなたが価格について悩んでしまうのは、きっと「相場」を知らないからでしょう。飲食店のように店舗数が多く価格がオープンになっていれば、自分が参入しているフィールドの相場も明確です。
たとえば同じ麻婆豆腐でも、格安のチェーン店から高級中華料理店まで、価格は何倍も開いているはずですが、そもそも自分がどのフィールドに位置しているのかが理解できているため、価格決定はさほど難しくはないでしょう。

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