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インドの中心で人権を叫ぶ インド仏教最高指導者の日本人と出会った話 (3)インド政府が認めた現代の龍樹菩薩
前回、アンベードカル博士について書きましたが、今回はそのアンベードカル博士の意志を継いでアンタッチャブルの人々のために生きている日本人について書きます。
と、その前に龍樹菩薩と大乗仏教について知る必要がでてきたのでやわらかく説明します。やわらかなので語弊も誤解も不正確もあると思いますが、ご容赦ください。ここはただの入り口です。
大乗仏教
ざっくり仏教は上座部仏教と大乗仏教という2カテゴリーがあります。
ブッダというのが"悟った人"という意味だとのことですが、当時お釈迦様が「俺、世界の秘密解き明かしちゃったかも、みんなに教えたろ」って教えまくってたら評判になって世界中から人(だけでなく動物までも)が集まってきたそうです。その様子はサンチーという仏教遺跡に残っていて、天パのギリシャ人とかがはるばる教わりに来ていることを物語っています。
わかりやすかったのか、納得感があったのか、爆発的な人気を博した仏教はまたたく間に広がったそうですが、とにかくお釈迦様のカリスマ感が強くて、当初の彫刻などではお釈迦様を直に表現することを避けていたほどです。
で、みんなしてカリスマのモデリング(雑に言うと真似)をして後を追うわけです。厳しい修行をするんです。その流れでできたのが現在の上座部仏教。ストイック。
それに対して、「あれ、お釈迦様ってお酒ダメとかそんなこと言ってたっけ?」と、お釈迦様のプロセス(修行)ではなく目的(教え)にフォーカスしたのが大乗仏教。「なんかほどほどが一番とかいってたよね」「修行がしたかったんじゃなくてみんなを苦から救いたかったのでは?」みたいな感じです。
そこで現れたのが龍樹菩薩(りゅうじゅぼさつ・ナーガールジュナ)です。
菩薩っていうのは、人々のために人生使う覚悟を決めた(使命を負った)人のことと思ってください。
龍樹菩薩
空(くう)や中道(ちゅうどう)の概念を説いた(というかお釈迦様の教えからまとめた)人と言われています。大乗仏教の立場から言うと、お釈迦様が本来教えたかったことを体系的にまとめてみた。みたいな感じです。
この龍樹の教えを集めた書庫というか学校のようなものがあり、それを南天鉄塔(なんてんてっとう)といいます。南天鉄塔はインドの中心に存在すると言われ、その龍樹の教えを授かりたいと西を目指したのがかの有名な三蔵法師(玄奘)ですね。
三蔵法師が南天鉄塔につくと門番の金剛力士に「お前は修行が足りん、出直してこい」と言われて凹みます。そこで三蔵法師は、いろいろ足りなかったなぁ、もっと仏教に生きなければ、実践しなければ、とお経をあげながら塔をぐるぐる回るんですね。3回目くらいに門番に「通ってヨシッ」してもらってめっちゃ勉強して帰ったというのが西遊記です。
その教えが日本に伝わってるけど、そのときのエバンジェリストが空海(弘法大師)です。字を書くとなったら筆を選ばない人。
実は空海も南天鉄塔目当てでインドに行ってるらしいんです。聖地巡礼というか自分も南天鉄塔で勉強したいと。でも空海が行くとそこにはなにも無かった。そして彼は後世に伝えるんですね。「南天鉄塔という場所はなかった。しかし、南天鉄塔はみんなの心の中にあるよ」みたいな感じで。そして伝説の地として伝承されるわけです。
現代の龍樹菩薩
実は今、インド政府が正式にナーガールジュナ(龍樹菩薩)と呼んでいる人がいます。それが、アンベードカル博士の意志を継いでアンタッチャブルの人々のために生きている日本人です。
長くなってしまったので、今回はここまでにします。
次回は日本人がインドでナーガールジュナになった経緯について書きたいと思います。