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罰則を強化しても、問題は解決しないと思う。

新型コロナウィルスの感染拡大を止めることは、ものすごく大事なことだと思う。
ただ、今回政府が急いでいる特別措置法の改正案だけは、どうしても受け入れ難い。昨年12月に都民ファーストの会だって都議会の反対多数を受けて罰則規定を断念した。その案が提出された時も、解決案が短絡的過ぎるとゾッとしたことを覚えている。

言うこと聞かないから罰金!とか、命令を守らないなら刑務所入れちゃうよとか、これって江戸時代の政策か?!嘘でしょ?!ジャイアン政治?!って思うわけです。そして、特定秘密保護法の時と同じように、性急に閣議決定してしまった…。

いくら、コロナ対策で焦ってたとしても、ひど過ぎると思う。
入院拒否して、故意にウィルスをばら撒こうとするような人も、中にはいるかもしれないけど、一人ひとりの事例を細かく点検していけば、いろんな事情を抱えているかもしれないでしょ?そんな細かい情報も調査しないで、「いいから俺の言うこと聞けよ!」的な法律改正を断行しようとするなんて、あり得ないよー!と思うわけです。

罰金とか懲役とか、そんな無茶苦茶なことさせられるなら、熱出ても絶対病院なんか行かない!っていう人が増えるに決まってるだろー!とも思ってしまいます。

問題を解決するためには、罰則を強化すればいい、という考えは、いつの時代も根拠が薄い感情論だと思う。罰則を強化しなければ少年犯罪は増える!とか、死刑を廃止すれば凶悪犯罪は増える!とか、そういう議論だって同じだと思う。短絡的な問題解決の方法では、根本的な解決には繋がらないと思う。

異質なものに対して、その異質さを詳細に分析しないで、異質さに対する不快感を排除することだけを最優先事項にする。
批判されることを恐れて(今回の場合だと支持率が下がることを恐れて)とにかく異質なものは排除しようとする。そういうやり方じゃ、根本的な問題は何も解決されないと思うわけです。

でも、僕たちは往々にして、こういう短絡的な解決策に走りがちだ。
精神障害者の自立支援事業をお手伝いしていた時にも同じようなことを感じた。精神障害者が長期入院を脱し、地域で自立した生活をできるようにみんなでサポートしようとすると、地域住民から猛反対される事例が後を絶たなかった。他にも、外国人に不動産を貸さない、売らないという事例も多々あるし、ホームレスを支援する政策より先に、街から排除しようとする政策の方が優先される。

異質なものはすべて悪、みんな同じように怪しいという偏見で見てしまう。一人ひとりをきちんと知り、公平に判断しようとしない。

パンデミックの恐怖に冷静さを欠いてしまいがちな時だからこそ、事実をしっかりと見つめる聡明さを持ちたいと思う。

国を動かすリーダーたちの短絡的な意思決定に触れ、彼らを選んだのは自分たち国民なんだよなと、溜息をついてしまった。

もっと勉強しなきゃ、と改めて思いました。。。