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【日々】子はかわいいだけではない

3歳の女の子が餓死したニュースがありました。母親である24歳の女性は8日間、出られないようにソファで塞いだ部屋に女の子を放置したという。幼い子どもを持つ身としてとても心が痛くなるニュースです。

さわりだけで読むと、とんでもない親だなという感想だけで終わりそうなニュースだが、これについていくつか考えてみたいと思います。先に述べておきますが、いかなる事情があったとて保護者がその責任を遺棄して子どもを衰弱死させることなどあってはならないことだという立場には変わりありません。

1.母親がシングルマザーだったと思われること

報道によれば、母親は一人で外出する際に女の子が包丁などを持ち出さないために部屋に閉じ込めることはあったという。ただ、今回はそれが長期間にわたって行われたために餓死につながったとのこと。この点についてはまた後で触れますが、まずひとり親世帯に対して問題なく育児が行われているか周りが支えられるようなセーフティネットはなかったのかということ。我が家は夫婦で子育てをしていますが、これが一人だったらと思うとどれだけの負担かと考えさせられます。この母親の心身の状態はいかほどだったのでしょうか。

2.一人の人間としての自由を優先してしまったということ

この母親は、知人男性に会うために鹿児島に行き、家を8日間にわたり空けていたという。その間に、女の子は餓死してしまったとのこと。この母親が、一人の人間としてどこの誰と良い仲になろうがそれ自体は咎められることではありません。ただ、その自由を優先するがあまりに保護者としての責任を遺棄してしまったが故にこのような悲劇は起きました。シングルマザーは自由を求めてはいけないでしょうか。そんなことはないと思います。シングルマザーという道を選んだのは彼女自身です。子どもがいる以上、相手となる父親がいるのは間違いありませんが、その人と共に子育てしない道を選んだのは本人です。我が子を育てる為にある程度の自由が制限されることは覚悟しなければいけないことだったと思いますが、これについても何かしら支えられる方法はないのでしょうか。シングルマザー(シングルファザー)が親をお休みする日を作れるような仕組みがあっても良いのでは、と思います。

3.餓死するかもしれないという想像力の欠如

この点が一番怖いと思っています。餓死した女の子は、8日間部屋から出られず飲食できず衰弱死したわけです。8日間放置して、問題が起こるという想像は働かなかったのか。

「そんなコト考えた事なかったクイズ!トリニクって何の肉!?」という番組をご存知でしょうか。昭和生まれなら常識的に知っていることについて平成生まれの回答者が回答するのですが、その珍回答が面白いという番組です。私も楽しんで見ていますが、そういうこと知らないんだ…と驚かされることも多いです。もちろん、平成生まれの人全員がそうだというわけではないでしょうが、割と高学歴の人たちも意外なことを知らなかったりするものです。

今回逮捕された母親は、女の子を8日間放置したことについて「死ぬとは思わなかった」と供述しているそうです。これは本当に耳を、目を疑います。一週間以上飲まず食わずという状況は普通に経験したことがないでしょう。だからといって、それを体力のない子どもが乗り越えられるかどうかということは少し考えればわかることだろうと思ってしまうのは私だけでしょうか。

4.子どもは「かわいい」だけじゃない

このタイトルには二つの意味があります。

一つは、親として子どもを愛していてもかわいく思えないときはあるということです。いうことを聞いてくれないこともあるし、駄々をこねる時もあるし、そんなときにイライラさせられることはあります。そんな状況から解放されたいと思うことは誰だってあるでしょう。

もう一つは、子どもはかわいいだけのマスコットとは違うということです。この母親も、近所の人から見れば女の子とのことをとてもかわいがっているように見えていたとのことです。その一面は間違いなく事実だと思いますが、8日間放置しても問題が起こると想像できなかったあたり、かわいいぬいぐるみや何かと同じようにとらえてしまっていた部分もあるのではないかと思ってしまいます。子どもはかわいいだけで勝手に育つものではありません。社会の中で生きていくためには保護者が必要な手助けをしなければならない。それを適切に理解できていないことは、想像以上の怖さを持っていると思います。

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